ファイナンス 2023年1月号 No.686
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【小■運河】【手宮鉄道跡地】ファイナンス 2023 Jan. 84 ○小■運河○手宮鉄道跡地○天狗山存運動が功を奏し、運河の一部は埋めたてられたものの、残された部分は石畳の散策路として整備され周辺に立ち並ぶ石造りの歴史的建造物とともに、重要な観光資源となりました。長く続いた保存運動が報道されたことで注目も集まり、小樽運河だけでなく市内に残された歴史的建造物などの観光資源を元に全国から観光客を呼び込むことに成功し、観光は小樽の基幹産業にまでなりました。平成20年ころになると、国内だけでなく中国、台湾、韓国などアジア諸国からの観光客も多く小樽を訪れるようになりました。令和2年頃からのコロナ禍により、国内外の観光客は激減しました。国内から訪れる観光客の数は回復しつつありますが、コロナ禍前の水準にまで戻ってはいません。小樽の観光の象徴ともいえるのが小樽運河です。運河の全長は約1キロで、運河沿いには散策路と63基のガス灯が設置されています。運河沿いには大正後期に建築された石造倉庫群がそのままの姿で残され、レストランなどの商業施設として様々な形で活用されています。運河は直線ではなく緩やかに湾曲しているのが特徴です。小樽運河にはクルーズ船も運航しており、川面から石造倉庫群を眺めることもできます。夕暮れ時にはガス灯のあかりとライトアップされた石造倉庫群を楽しむこともできます。毎年11月から1月までは1万個の青色LEDで彩られる「青の運河」というイベントも開催しており、幻想的な小樽運河を楽しむ事ができます。北海道初の鉄道「官営幌内鉄道」の手宮線が廃止された後、跡地は線路や踏切が残されたまま散策路として整備されました。散策路は寿司屋通から小樽総合博物館までの約1,600mで、各種イベント会場にも利用されています。2018年には北海道遺産「小樽の鉄道遺産」にも選定されました。手宮線で使われていた蒸気機関車(しづか号)は小樽総合博物館に展示してあり、今もその姿を見ることができます。天狗山は小樽のシンボル的な山として市民から親しまれています。ロープウェイが設置され山頂までは約4分で到着します。天狗山の名称の由来は、その昔、山の斜面に青白い火が見えたので天狗が焚火をしているという言い伝えや山が天狗の面に似ているなど諸説あります。山頂には天狗が祀られた天狗神社や全国各地から天狗に由来する品を約700点以上も集めた天狗の館、パワースポットとしても有名な鼻に触れると願いが叶うといわれる「鼻なで天狗さん」など天狗にちなんだものが多くあります。山頂展望台からは、小樽の市街地から日本海までが一望できます。北海道三大夜景といわれる夜景のスポットとしても有名です。天狗山は、大正12年に第1回全日本スキー選手権が開催され、昭和27年には北海道で初めてリフトが設置されたことなどから、北海道におけるスキー発祥の地ともいわれています。小■市3.管内の名所・話題

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