ファイナンス 2023年1月号 No.686
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ファイナンス 2023 Jan. 74 PRI Open Campus ~財務総研の研究・交流活動紹介~ 15ただ学ぶだけではなく、第一線で活躍するアカデミアと交流ができるのも魅力の一つ籍していたことがあるのですが、そこでは外国税制等の調査のために英語の論文をたくさん読まなければならない場面が多々ありました。論研を受けていたからこそ、主税局の幹部に論文の内容や海外の税制について説明できる程度に経済論文を読めるまでなりました。財務省の制度の中でも、かなり良い研修制度だと思っています。(内藤)なるほど。当時は、もちろん全部対面でやっていたともちろん思いますが、先生方との交流はありましたか? この数年については新型コロナウイルス感染症の影響で、先生方との交流は実はほとんどできてないので。(日向寺)受講当時は、対面授業はもちろんのこと、合宿形式での集中講義もあり、先生方に来ていただいていました。朝から晩まで刺激的なプログラムだった記憶があります。(影山)日向寺さんと佐々木さんのお二人が受講した時、合宿で社会保障の集中講義がありませんでしたか? 私が論研の設計を担当していたときに社会保障関係の講座を設けました。当時、社会保障予算を担当していた幹部に講義をお願いしたり、医療経済学の大家にもお越しいただいたりと、様々な講義を設けました。(日向寺)私たちの頃(平成22年ごろの論研)は、論研を再開させたばかりということもあって、大変気合いが入ったプログラムになっていました。今もそうだと思いますが、講師がとても豪華でした。(佐々木)今思えば、既に著名な先生に加え、若手の有望株みたいな方々が講義を担当してくださっていて、論研を通じてそのような先生方と知り合えたというのはとても良かったです。(日向寺)そうそう。先生方は授業前の雑談にも付き合ってくださって、かなり良くしていただきました。(日向寺)当時は大学を出たばかりの若手の先生方から補講を受けられるという制度もありました。財務総研にいらしているポスドクの先生方が中心に指導して下さったのを覚えています。当時の若手の先生方は年齢が近しいだけにとてもフランクで、学習面だけではなく継続的な関係性を今でも構築できています。仕事で何かご知見を伺う際にも、個人的なつながりがあると聞きやすいですよね。私が主税局に配属された際に、税調や改正の関係で若手教授の方々にご相談を持ち掛ける際には、そのような先生にお声がけをさせていただいたこともありました。論研を通じて構築される人脈というのは、後々の仕事でも生きています。(影山)運営側にいたので、そういってもらえると嬉しいですね。(日向寺)普通に生活していたら経済学の先生方と出会うことはないと思うので、本当によい経験でした。(影山)運営側としては、どの方にどういう内容を教えていただこうかと、長い時間かけて検討していました。また、論文の指導教官に関しては、研修生の希望

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