ファイナンス 2022年12月号 No.685
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久米島町 企画財政課 参事喜友村 薫【久米島町の位置図】【町営寮:じんぶん館】 ファイナンス 2022 Dec. 55久米島町は、平成14年4月1日に旧具志川村と旧仲里村が合併し、今年で20歳を迎えます。本町は、沖縄本島那覇市の西方約100kmの東シナ海に位置し、久米島本島及び奥武島・オーハ島の有人離島、鳥島・硫黄鳥島などの無人島から構成されています。本町の人口は国勢調査によりますと、1995年に1万人を割り込み、その後は1年間に約100人というぺースで人口減少が進んでいます。国立社会保障・人口問題研究所によりますと2040年には人口が5,832人まで減少することが予測されており、人口減少に歯止めをかけるための施策を展開していくも、一度崩れ始めた人口減少はそう簡単には止まってくれません。− 島唯一の高校の存続危機 −久米島町には、島唯一の高校(普通科・園芸科)があるため、近隣の小規模離島の様に義務教育課程修了と同時に沖縄本島を中心とした高等学校へ進学するような厳しい環境にはありませんが、少子高齢化が顕著になるのと同時に久米島高校の定員割れが続いたことから、「沖縄県立高等学校編成整備計画」において園芸科の募集停止の方針が示されました。廃科となった場合、子どもたちの学びの選択肢が狭まり島外進学を選ぶ生徒が増える可能性があり、それにともなって一家転出が増え、人口減少が加速し、島の衰退にもつながりかねない、島の将来を大きく左右する問題となりました。第1次産業が主要産業である本町にとって園芸科は看板学科でもあるため、町民有志、行政、教育委員会が結束して「久米島高校魅力化プロジェクト」に取り組み、その一環として、地元の有志の方が親代わりになり、里親の元で生活しながら学校へ通う離島留学を新たにスタートしました。久米島高校への離島留学制度が徐々に認知されるとともに、町営寮「じんぶん館」を整備したことによって、1学年10名として30名まで受け入れが可能となりましたが、現在では、1学年10名の定員を大幅に超える応募を受け、キャパシティーの問題でお断りするケースも多くなっています。1.はじめに2. 更なる人口減少のピンチ 久米島町誕生から20年目の節目を迎えた“今”久米島町

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