ファイナンス 2022年12月号 No.685
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講師略歴藻谷 ゆかり(もたに ゆかり)経営エッセイスト 巴創業塾主宰1963年横浜市生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関に勤務。1991年ハーバード・ビジネススクールでMBA取得。外資系メーカー2社に勤務後、1997年にインド紅茶の輸入・ネット通販会社を千葉県で起業、2002年に家族5人で長野県北御牧村(現東御市)に移住し、2018年に会社を事業承継。現在は「起業×事業承継×地方移住」に関する講演を全国の商工会議所や自治体等で展開。2019年に『衰退産業でも稼げます』(新潮社)、2020年に『コロナ移住のすすめ』(毎日新聞出版)、2021年7月に『六方よし経営 日本を元気にする新しいビジネスのかたち』(日経BP)、2022年10月に『山奥ビジネス 一流の田舎を創造する』(新潮新書)を出版。夫は国際エコノミストの藻谷俊介氏、『デフレの正体』『里山資本主義』の藻谷浩介氏は義弟。 令和4年度 上級管理セミナー ファイナンス 2022 Dec. 43である」と言っております。十分な休息があり、短い労働時間であること、労働に多様性があること、快適な環境で労働すべきだとも言っております。これは結局、最初に紹介した「作り手よし」につながるのです。最後に、人はなぜ棚田のある風景を美しいと感じるのでしょうか。棚田はその土地の人々の営みそのものなのです。棚田は非効率な生産手段であり、耕作放棄地になりがちなのですが、棚田がもし太陽光発電になってしまうと、醜い風景になってしまうと私は思います。棚田は風景として観光資源になり、限界集落であっても人々を惹きつけるのです。これもひとつの「山奥ビジネス」のあり方ではないかと思います。ご清聴ありがとうございました。 (以上)

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