ファイナンス 2022年11月号 No.684
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ファイナンス 2022 Nov. 83(写真提供:奄美市)(写真提供:奄美市) 〔本場奄美大島 大島紬〕〔土俵〕〔島口(しまぐち:方言)・シマ唄〕グルメ・地酒〔鶏飯(けいはん)〕大島伝統文化たせています。恋愛のパワースポットとして話題になり、写真を撮って待ち受け画面にしておくと恋愛運がアップすると観光客にも大人気です。ハートロックを綺麗な形で見られるのは、潮位80cm以下の干潮時の前後1時間で、波が穏やかなときと言われており、潮の満ち引きは、季節や日によって大きく変わるため、観光に訪れる際は、あらかじめ干潮時間の確認をお勧めします。なお、道中の林では、ハブにも要注意です。約1300年前に作られていたと言われ、我が国の染色織物の中でも長い伝統を持つ染色織物で、泥染め等のいくつもの行程を経て絹糸に独特の美しい光沢を与えていきます。昭和55年に当時の通産省が定義した5条件全てを満たしたものだけが「大島紬」の名を冠することができ、最高級品では数百万円もの価格となり、日本の絹織物でも高級品として知られています。近年では着物だけでなく、コースターや小銭入れといった小物の生産も盛んになっており、以前よりも気軽に大島紬を手に取ることができるようになっています。集落ごとに土俵があり、豊年祭などで奉納相撲が行われ、子供から大人まで力強く日頃の稽古の成果が競われており、大相撲の力士も輩出しています。現在、瀬戸内町出身の明生(めいせい)関が幕内で活躍中です。奄美には、独特の島の方言があります。代表的なものとして「いもーれ(ようこそ)」、「ありがっさまりょた(ありがとう)」などがありますが、中には、「わん(私)」や「はげー(びっくり)」など驚く言葉もあります。奄美で語り継がれるシマ唄は島口を独特の節回し(裏声)で歌い上げられ、集落や地域の仲間が集まり「唄あしび(あそび)」が始まり、次代へ語り継がれています。また、奄美民謡大賞を決める大会も開催される盛り上がりで、宴席においてもたびたびシマ唄が披露され、宴の最後は「六調(ろくちょう)」と呼ばれるノリの良いリズムのシマ唄に合わせて全員で踊り、宴が終わりを迎えます。島料理は様々ありますが、「鶏飯(けいはん)」は代表的な島料理の一つです。薩摩藩の役人へのおもてなし料理として始まったと伝えられており、ご飯に「鶏のササミ、しいたけ、錦糸卵」などの具材を乗せ、鶏のガラスープをご飯にかけて召し上がります。具材は家庭で異なり、刻み海苔、ミカンの皮、パパイヤの漬物などのトッピングを楽しめます。

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