ファイナンス 2022年11月号 No.684
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天草税務署 総務課長藤田 武士ファイナンス 2022 Nov. 77(自然豊かな天草諸島)(天草四郎像) 熊本県の南西部に位置する天草は、東シナ海、有明海、八代海と周囲を三つの海に囲まれた大小約120の島々によって構成され、雲仙天草国立公園に指定されている自然景観をはじめ、キリシタンの歴史や南蛮文化、イルカウォッチングなどの数多くの観光資源に恵まれています。はじめに天草税務署は、明治29年に町山口税務署として設置され、熊本県天草郡一円を管轄し、明治42年に天草税務署と改称されました。その後、市制施行や市町村合併等を経て、現在は天草市、上天草市及び苓北町を管轄しています。管内の歴史天草の歴史の中で、最大の出来事は、天草・島原の乱です。天草・島原の乱は、天草と島原(長崎県)で始まったキリシタン農民による一揆です。当時天草は、肥前唐津藩(佐賀県)の支配下にあり、領主が、飛び地のような所領の天草を治める拠点として築城したのが富岡城(苓北町)です。乱の原因は、領主の苛政(過酷でひどい政治)で、農民への石高の2倍にも上る年貢(重税)とキリシタンへの迫害は過酷を極め、年貢米の未納者には極刑が課せられていたそうです。さらに追い打ちをかけるように、当時数年間にわたる日照り続きで凶作となり、飢饉が発生し、苛政は天草と島原で同様であったことから、両者の代表が有明海の中間の湯島で談合して一揆をおこしたと伝わっています。乱の当時、キリシタンや農民たち一揆軍を率いた総大将が天草四郎で、出生地は天草の大矢野島(上天草市)との説もあり、カリスマ的な人気を背景に戦場では十字架を掲げて一揆軍を率いたとも言われています。管内には、天草四郎ミュージアムをはじめ天草キリシタン館など、天草・島原の乱を中心としたキリシタンの歴史がわかりやすく紹介された施設があります。「天草宝島」天草

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