ファイナンス 2022年11月号 No.684
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(兆円)1,7001,6001,5001,4001,3001,2001,1001,0009008007006005004003002001000040506070809101112131415161718192021※1 大企業:資本金10億円超、中堅企業:資本金1億円~10億円、中小企業:資本金1億円未満。※2 全規模:289.0万社(大企業:0.5万社(全体の0.2%)、中堅企業:2.6万社(同0.9%)、中小企業:285.9万社(同98.9%)(中小企業のうち、資本金1,000万円未満:197.3万社(同68.3%))(兆円)1009080543.670(+6.1%)6050282.6(+6.6%)4030621.7(+6.2%)2010040506070809101112131415161718192021(年度)大企業中堅企業中小企業083.9全規模1,447.9(+6.3%)全規模83.9(+33.5%)49.5(+33.6%)14.0(+34.5%)20.4(+32.6%)(年度)図表4企業収益(売上高と経常利益)の推移売上高経常利益2021年度法人企業統計調査に見る企業収益売上高は4年ぶりの増収 経常利益は2018年度を超え過去最高に 4 ファイナンス 2022 Nov.売上高を業種別にみると、ほぼ全ての業種で対前年度比増加している。新型コロナウイルスによる感染症の影響が緩和されたことから、需要の増加等の影響があったと考えられる。また、製造業と非製造業に分けてみると、製造業の方が強い結果となった。製造業の中でも、自動車や船舶への需要増加や、販売価格改定の恩恵を受ける鉄鋼などでは増加率が高くなっている。売上高は対前年度比6.3%の増収 経常利益は前年度比33.5%の増益2021年度の法人企業統計調査によると、売上高は前年度比6.3%増となり、2020年度の落ち込み分(▲8.1%)の過半を回復した。増収は4年ぶりで増加率は2004年以来の高さとなった。一方で非製造業についても4年ぶりの増加となった。経常利益は対前年度比で33.5%の増益となった。これは、直近でピークをつけた2018年度より約70億円多く、過去最高を更新した。経常利益を業種別にみると、電気など一部の業種ではエネルギー価格の上昇などにより減益となっているものの、2020年度に経常赤字化した運輸・郵便、飲食、生活関連等が黒字に転じた。その結果、ほとんどの業種で前年度比増加となり、2019年度の水準を超えている。経常利益の増加には、売り上げの大幅な増加が寄与した。また、経常利益に対する営業外収益の影響は、主に政府の企業支援策によるものが続いていると考えられる。特に中小企業ではその影響が大きく出ている。

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