ファイナンス 2022年11月号 No.684
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5おわりに本稿では、非価格競争入札について海外の制度を紹介した後、我が国の非価格競争入札に係る追加的な内容について議論しました。本稿および服部・石田・早瀬・堀江(2022)が、非価格競争入札の意義・機能の理解を深める一助となることを祈っております。[7]. Lemoine, Benjamin (2016) “The Strategic State Caught up in Rates:The Creation of a French Public Debt Management Agency.” Revue française de science politique (English Edition) 66(3-4), 27−51.[8]. OECD(2020)“Annex A. OECD 2020 Survey on [6]. 中対剛・村田大介(2018)「イギリスの平均償還年限とその背景―国債の需要と供給両面からの分析―」PRI Discussion Paper Series (No.18A-09)ファイナンス 2022 Nov. 21 参考文献[1]. 石田良・服部孝洋(2020)「日本国債入門―ダッチ方式とコンベンショナル方式を中心とした入札(オークション)制度と学術研究の紹介―」財務省財務総合政策研究所PRI Discussion Paper Series(No.20A-06).[2]. 斉藤美彦(2014)「イングランド銀行の金融政策(世界の中央銀行)」きんざい[3].財務省理財局(2021)「債務管理リポート2021」[4]. 服部孝洋・石田良・早瀬直人・堀江葵(2022)「非価格競争入札入門―基礎編―」『ファイナンス』(9月号)14−23.[5]. 服部孝洋・日本取引所グループ(2022)「国債先物オプション入門」Primary Markets Developments.”[9]. Malvey, Paul F., Christine M. Archibald and Sean T. Flynn (1995) “Uniform-Price Auctions:Evaluation of the Treasury Experience.” U.S. Treasury Department.[10]. Rocholl, Jörg(2005)“Discriminatory auctions with seller discretion:evidence from German treasury auctions.” Discussion Paper Series 1:Economic Studies.[11]. Umlauf, Steven R. (1993) “An empirical study of the Mexican Treasury bill auction.” Journal of Financial Economics33(2), 313−340.図表9 入札日の後場の利回り変化と第Ⅱ非価格競争入札の行使率(行使率、%)1009080706050403020100-0.04-0.03-0.02-0.014月から2022年9月まで。(出所)日本証券業協会、財務省10年国債0.000.020.01(行使率、%)1009080706050403020100-0.04-0.03-0.02-0.010.03(利回り変化、%)20年国債0.03(利回り変化、%)(注)「利回り変化」=「売買参考統計値(平均値)」-「募入平均利回り」。「行使率」=「第Ⅱ非価格競争入札落札額」÷「発行予定額×第Ⅱ非価格上限割合」。期間は2019年0.020.000.01られます。本稿で取り上げた仮説はその一因にすぎませんが、第Ⅱ非価格競争入札の行使は、様々な要因に依存する可能性があり、単に入札で決まった平均価格とその後の価格の動きのみで決まるわけではない点に注意が必要です。

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