ファイナンス 2022年10月号 No.683
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土盛海岸マングローブ(写真提供:奄美市)ルリカケスアマミノクロウサギ 72 ファイナンス 2022 Oct.3 奄美大島の歴史と特産品奄美大島と隣島の加計呂麻島にはマングローブ群落があり、マングローブ群落としては日本の北限に位置し、中でも奄美大島住用地区のマングローブ群落は、西表島(沖縄)に次いで国内では2番目となる広大な面積を誇っており、カヌーでマングローブ群落を通り抜ける体験もできるため、人気の観光スポットとなっています。奄美大島やその周辺の島には、ここにしかいない固有種と言われる動植物が多く息づいています。猛毒で知られるハブや、天然記念物として保護されているアマミノクロウサギ、オオトラツグミ、ルリカケス、アカヒゲ、オカヤドカリ、アマミイシカワガエルなどの他、絶滅危惧種のリュウキュウアユ、アマミヤマシギ、アマミマルバネクワガタや、奄美大島の固有種であるアマミセイシカ、アマミエビネなど、貴重な動植物が多く生育・生息しています。奄美大島の中央部に位置する「金作原原生林」は太古からの植物や希少な動物が生息しており、認定エコツアーガイドに同行してもらうことで散策ができます。アマミノクロウサギなど、夜にしか会えない動物もいますが、夜の森のガイド付きツアーもありますので、参加してみてはいかがでしょうか。奄美の特産品と言えば、サトウキビを原料とした黒糖が有名ですが、奄美で黒糖が製造されるようになったのは、江戸時代以降のことです。江戸時代より前の奄美群島は琉球王国の支配下にありましたが、17世紀に入り江戸幕府が開かれると、奄美群島(及び琉球王国)は薩摩藩の侵攻を受け、結果、奄美群島は同藩直轄地となりました。サトウキビの栽培と製糖が奄美大島で始まったのは、17世紀と考えられており、中国福建省から伝わっ(3)貴重な動植物(1)明治維新と奄美の黒糖

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