ファイナンス 2022年10月号 No.683
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資料・写真協力 半田市役所、愛知県衣浦港務所【新美南吉記念館内風景】【「ごん」が佇むベンチ】【左が尾州早すし】 70 ファイナンス 2022 Oct.6 おわりに半田市「新美南吉記念館」の近くには南吉がよく散歩をしていたといわれる矢勝川が流れています。この川の堤防には300万本の彼岸花が東西約1.5kmにわたって植えられており、9月下旬から10月上旬に真赤な花が咲き誇ります。この彼岸花は「ごんぎつね」の一節を再現するため、地域住民が協力しあい植栽したとのことです。また、この矢勝川河畔には「ごん」が佇むベンチがあり、撮影スポットとしても人気です。「ごん」に思いを馳せながら、散策してみてはいかがでしょうか。5 すしのまち半田市は古くから醸造業が盛んで、近くに豊かな漁場があり新鮮な魚が手に入りやすかったため、たくさんのお寿司屋さんがあります。それぞれのお店では独自の趣向を凝らした創作すしや大将おまかせのすしが味わえます。なかでもおすすめは江戸時代の握りずしを現代版にアレンジした「尾州早すし」です。もともと、おすしは魚を塩と米で発酵した「なれずし」でしたが、江戸の町では熟成不要ですぐに食べられる「早すし(握りずし)」が流行しました。当時は高価な米酢が使用されていましたが、半田では酒造りが盛んで酒粕が豊富にあったことから、お手頃ですし飯に合う風味と旨みを持つ粕酢が造られ、庶民にも広く親しまれるようになりました。ここだけでしか味わえない「尾州早すし」は、粕酢と仕込みタネを使用し、一貫はふつうの握りずしのおよそ2.5倍の大きさが特徴です。ぜひ、味わってみてください。「情熱、蔵出し。半田市。」は半田市のキャッチフレーズです。半田市では今回紹介したところのほか、お酢、日本酒、ビール醸造のミュージアムや知多牛など地元食材を使った食が楽しめ、親子で遊べる公園も充実しています。また、令和5年10月28日~29日には市制85周年プラスONE事業として、5年に一度市内の山車31輌が勢ぞろいする「第九回はんだ山車まつり」が開催されます。歴史と文化の魅力が溢れる半田市にいちどお出かけください。

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