ファイナンス 2022年10月号 No.683
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●衣浦出張所10364895712〔衣浦出張所管轄〕1半田市2碧南市3大府市4高浜市5西尾市6知多郡東浦町78910阿久比町武豊町美浜町南知多町名古屋税関豊橋税関支署衣浦出張所長駒瀬 敏彦 68 ファイナンス 2022 Oct.当出張所は、明治32(1899)年8月に大阪税関武豊税関支署として設置された愛知県内で一番歴史のある税関官署です。設置後、昭和12(1937)年に名古屋税関が開設されたことにより名古屋税関武豊税関支署となり、更に昭和32(1957)年の武豊港から衣浦港への港名変更に伴い、昭和34(1959)年5月に名古屋税関衣浦税関支署に改称されました。その後、機構改正により平成11(1999)年7月には名古屋税関衣浦出張所に、2年後の平成13(2001)年7月には名古屋税関豊橋税関支署衣浦出張所となり、現在に至っています。1 はじめに名古屋税関豊橋税関支署衣浦出張所は、愛知県にある知多半島中央部の三河湾に面した半田市に所在しており、同市をはじめ碧南市、大府市、高浜市、西尾市、知多郡(東浦町、阿久比町、武豊町、美浜町、南知多町)の5市5町を管轄しています。一方、昭和10年代から外国貿易船の入港隻数が減少し、開港閉鎖の危機が続いていました。危機感を持った地元関係者の努力もあり、昭和36(1961)年の港湾整備10か年計画において3,000メートル防波堤や中央ふ頭の建設、臨海工業用地の造成などが盛り込まれ、工事が進むにつれ電力、鉄鋼、木材、穀物関係の企業が進出し、徐々に外国貿易船の入港が回復していきました。現在の主要輸出入品目は、輸出では鉄鋼、航空機類、金属鉱及びくず、輸入では石炭、とうもろこし、液化石油ガスとなっています。古くからこの地域の2 衣浦港の歴史尾張と三河に囲まれ、三河湾の奥部に位置する「衣ヶ浦」には、その地形が天然の良湾で海も穏やかであったことから武豊、半田などいくつもの港が点在していました。江戸時代には江戸へ尾張藩の物資、お酒、お酢、塩などが運ばれ、江戸からは肥料、大豆などが運ばれてきて湾岸一帯は大いに繁盛していました。明治に入り東海道本線が建設されることになり、その建設資材は船で運ぶ以外の手段がなかったことから、名古屋に近い武豊港が陸揚げ港として利用され、また、武豊~熱田間の鉄道の開通などにより海陸連結地となった武豊港の発展が期待されました。明治32(1899)年、武豊港は開港場に指定されたものの、港湾設備が不十分で大型船舶への対応ができなかったことから港の整備へ期待が寄せられましたが、県の築港計画が熱田港(名古屋港)の築港に全力が傾けられ、港湾整備は十分に進みませんでした。その後、昭和32(1957)年には湾内の武豊、半田、新川、平坂等8港を統合し港湾法に基づく重要港湾に指定され、このとき「衣浦港」と名付けられました。歴史と文化の魅力が ■れるまち  情熱、蔵出し。半田市。半田市

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