ファイナンス 2022年10月号 No.683
37/82

atipaC4444414431314144333441412421114444444144444221444444424444444142244442421*11444344441344444442422na44na2423na34114442444141114121444444424444444244444442414444na11*111111111122121111112222111111221*1111l12311221111113223314441222111111111111 ファイナンス 2022 Oct. 33*22) 氷見野(2005)では、「88年合意は、8%について、『あくまで最低比率を設定することを目指したものであることを強調しなければならない。各国監督当局がより高い水準を設定する措置をとることは自由である』」(p.50)としています。*23) 秀島(2021)は「バーゼル委の決定には法的拘束力はない。この点は、上述のバーゼル委憲章(Charter)の第3条にも明記されている。ただし、バーゼル委メンバーは、バーゼル委が策定する基準を国内で実施することにコミットすることになっている」(p.39)としています。図表3 各国におけるバーゼル規制の実施状況バーゼル規制入門Basel standardsCountercyclical capital bufferMargin requirements for noncentrally cleared derivativesCapital requirements for CCPsCapital requirements for equity investments in fundsSA-CCRSecuritisation frameworkTLAC holdingsRevised standardised approach for credit riskRevised IRB approach for credit riskRevised CVA frameworkRevised minimum requirements for market riskRevised operational risk framework(出所)BCBS(2021)「Progress report on adoption of the Basel regulatory framework」より抜粋DeadlineARAUBRCACNHKINIDJPKRMXRUSASGZACHTRUKUSEUJan 201644Sep 2016Jan 2017Jan 2017Jan 2017Jan 2018Jan 2019Jan 2023Jan 2023naJan 2023Jan 2023Jan 2023naています。金融庁告示以外にも告示のQ&Aや監督指針、さらに金融商品取引法などの形で規制が課されています(法的な建て付けについては後述します)。また、国際合意は既に強調したとおり、あくまで各国における最低限の水準ですから*22、各国において追加的な規制を課しているケースも少なくありません。国際合意と各国の規制が整合的であるかについても、BCBSにより定期的なチェックがなされています。これは「規制の整合性評価プログラム(Regulatory Consistency Assessment Program, RCAP)」と呼ばれており、2012年以降実施されています。具体的には、各国における規制の(表面的な)実施状況を定期的に確認する「モニタリング」、BCBSのスタッフが金融庁の担当者などにヒアリング等をして、国際合意がなされた内容と整合的な規制が我が国で敷かれているか等のチェックがなされる「各国評価」、さらに、テーマを区切ったうえで各銀行段階での銀行のリスク・アセットの計算の整合性にまで踏み込む「テーマ別評価」の三段階があります。図表3は2021年におけるモニタリング結果を示したものですが、このように項目ごとにその進捗が公表されており、我が国については「各国評価」においても国際合意と整合的であるとの評価がなされています。そもそも、バーゼル規制は国際合意であり、本来、それだけでは法的拘束力はありません*23。氷見野(2005)は、「バーゼル合意は各国当局間の取り決めであり、各国と当局が合意に沿って国内規制を改正して初めて現実の効力を持つ」(p.55)としています。そのうえで、「大蔵省銀行局は、当初、バーゼル合意を行政指導の形で国内規制化し」(p.58)、「92年6月に成立した金融制度改革法によって、銀行法に経営諸比率規制に関する条文が新設され、93年4月から施行された」(p.58)と説明しています。我が国には銀行法がありますが、その中で銀行に関するプルーデンスについての規定があり(銀行法14条の2)、金融庁告示によってバーゼル規制が課されています(金融庁告示以外にも金融商品取引法や監督指針などで規制されることもあります)。金融庁告示では(例えば銀行や銀行持株会社など)業態毎に告示が定められています。前述のとおり、バーゼル規制については国際的な活動をしている銀行に課す規制ですから、その意味では、国際的な活動をしていない銀行に対してはバーゼル規制を課す必要はないとも解釈できます。我が国では国際的な活動をしていない銀行を「国内基準行」としたうえで、基本的にはバーゼル規制と整合的な規制を課すとともに、自己資本比率を4%以上求めるなど若干緩やかな規制が課されています。大手の証券会社(投資銀行)についてもバーゼル規制は課されています。我が国では独立系大手証券会社が存在していますが、それらの証券会社については金2.7 バーゼル規制の法律的な建て付け

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る