ファイナンス 2022年10月号 No.683
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2021(年)202020172016201520142013201220112010200920082007200620052004(出典)UN Comtrade Database20032002200120001999505020202018201920172016201520142013201220112010200920082007200620052004200319992000(出典)ONS2021(年)20192020201820172016201520142013201220112010200920082007200620052004(出典)UN Comtrade Database20032002200120001999*22) 原子炉、ボイラーは、輸出入ともに第2位。2021年の英国の対中輸入では、中国の得意とする電子・情報技術を活用するデータ処理関連機器が上位を占め、英国の対中輸出においてはターボジェットやプロペラ、エンジンが上位を占めた。(図6)中国の上位国別輸出割合推移(順位は2021年時点)(%)25(図7)中国の上位国別輸入割合推移(順位は2021年時点)(%)25201510201510ベトナム(4位)英国(9位)20192018日本(2位)米国(3位)英国(24位)香港(40位)米国(1位)香港(2位)日本(3位)100500-50-100-150-200-250-300-350-400韓国(1位)貿易収支サービス収支第1次所得収支第2次所得収支経常収支20012002(図8)英国の対国経常収支(億ポンド) 16 ファイナンス 2022 Oct.は1999年から一貫してプラスが続くが、貿易収支の赤字を補える規模でなく、全体として対中経常収支はマイナスで推移している(図8)。英国の中国からの輸入を品目別に見ると、多い順から電子機器(21.7%+1.3)、データ処理機器を初めとした原子炉・ボイラー関連(19.3%+1.4)*22、家具、寝具、照明(7.4%+1.3)が上位を占めるが(2021年)、2020年は主にマスクの材料となる繊維製品や医療用ガウン等の衣料品、2021年は科学製品、玩具、ゲームが輸入額の伸びに寄与している。英国から中国への主要な輸出品目は自動車(23.2%、前年比+2.6)、ターボジェットやプロペラ、エンジンを主とした原子炉・ボイラー関連(13.2%、+1.4)、鉱物燃料、鉱物油(13.2%、+1.1)となっている(2021年)。近年中国は英国にとって第1位の輸入先国となったことは注目に値するものの、英中関係は、独中、豪中と比べて、貿易面での結びつきは相対的に薄く、天然資源等、重要な品目での依存関係にあるとは言えない。英国が国外に有する金融資産全体(約12.5兆ポンド)に中国と香港が占める割合は、2020年時点でそれぞれ1%、2.2%と小さい(図9)。投資負債(対内投資)も同様で、負債合計約13兆ポンドに対し、中国は0.8%、香港が1.9%程度を占めるのみである(図10)。B)対中国直接投資しかし、二国間の取引規模は、英国から中国への投資を中心に増加傾向にある。直接投資は証券投資に比べ小規模ながら、ここ20年程は資産が負債を上回っており、英国が中国本土に行う投資の方が多いことが分かる(図11)。分野を見ると、直接投資・資産(英国から中国本土)、直接投資・負債(中国本土から英国)ともに内訳が判明しているものの中では金融が最も多い(図12, 13)。直接投資は双方向共に、ここ20年程伸びが緩やかで、今後も急な増加は考えにくい。まず、中国では外資による直接投資に制限がある。米中貿易摩擦の激化を背景に外国投資家による中国への投資促進の目的で2020年1月に施行された「外商投資法」も、関連法案作成プロセスにおける外資企業向け市中協議の実施や、特定の業種、分野、地域における投資の優遇措置等に留まっており、投資可能分野はネガティブリスト(2)投資A)英国の対外資産・負債総額

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