ファイナンス 2022年9月号 No.682
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ひまわりオイル小学生4年生のひまわり栽培体験ひまわり迷路(大学生と包括連携協定締結事業者作成)*1) 全国ひまわりオイルサミット…ひまわりやひまわりオイルで地域振興に取り組んでいる自治体等が共同でPRするとともに、情報交換、交流・連携を通じ、活動を全国に広めることを目的として、2016年から始まった取組。くなっています。色はひまわりの花びらと同じ、濃い鮮やかな黄色であり、わたしはプラチナイエローと呼んでいます。しかしながら、オリーブオイルなどは広く認知されていますが、ひまわりオイルの認知度はまだまだ低く販売の増大につながっていません。高額な費用をかけて有名タレントを起用し、PRをおこなうのも一つの方策ですが、地域住民が自分たち自身でアイデアを出し合いながら取り組むことで、この課題だけではなく他の地域課題にも対応できる力が付いていくものと信じています。ひまわりを観光資源として、ひまわりに関心を持っていただくよう、地域住民がインスタ映えのするスポットづくりなどをおこなった結果、現在では、ひまわりの開花時に約4万5千人がひまわりの観覧に訪れるようになりました。また、地域学習として、地域住民が地元の小学生にひまわりの栽培から収穫、オイルの製造方法まで一連3.観光資源を活用し、地域活性化持続可能な農業にしていくためには、農業所得の増大を図り、農業の担い手を確保することが急務となります。まんのう町では、ひまわりで6次産業化を推進していますが、最後の3次産業(販売業、サービス業)の部分が大変重要で、ひまわりオイルやドレッシングなど関連商品の販売を増大させ、農業従事者に還元する取り組みを実施しています。について授業したり、製造したひまわりオイルを学校給食で提供したりしています。関心を持った子ども達からは、ひまわりオイルのPR方法などが提案されています。このような取組みを通じて、子ども達が地域で育ち、のちに地域への誇りやふるさとへの愛着を持ってもらえればと期待しています。このほかにも、地元の大学とひまわり関連商品の販売拡大、交流人口の増大、新商品の開発、栽培における問題解決などの共同研究をおこなっています。さらに、包括連携協定を締結している事業者等も巻き込み、誘客を図る事業に協力をしていただいています。大勢の関係者が参加することで、問題解決の知恵やひまわりに関わる者の輪が更に大きく広がっていくことが期待されます。この輪を私どもは「ひまわリンク」と名付け、多くの方と関わりを持つよう、仕掛けています。このひまわリンクは、ひまわりオイルを販売している全国の自治体とオイルサミット*1をおこなうなど、 84 ファイナンス 2022 Sep.

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