ファイナンス 2022年9月号 No.682
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78 ファイナンス 2022 Sep.コラム 創刊のことば創刊号には当時の大蔵次官である長沼弘毅氏の「創刊のことば」を掲載しております。そこには「大蔵省関係の統計は、國民経済に深い関係をもつものでありながら、從來このような月報のなかつたことは、今から思えば非常な欠陥であつたというべきであろう。政府も國民も、財政経済の推移につき、特に注意深くみまもつて行かなければならない折から、この月報が各方面に廣く利用され、さきに刊行した「財政経済統計年報」とともに、財政経済の民主化に役立つ」とあります。当時、アメリカ、イギリス、フランスなどの主要国では既に各種統計を完備し、広く利用されていました。そうした中特にフランスの「統計法令月報」について、「間口が廣く形式にとらわれないで、極めて実用的な編集である。(中略)月々この月報にのる事項はいろいろ異るが、一年を通じてみれば、年間の財政経済の推移が総合的にはつきりわかり、数年を通じてみれば、權威ある基礎資料が集大成されて、これを綴れば、たちどころにフランス財政史が出來る」と言及しつつ、月報が目指すべき姿が示されています。

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