ファイナンス 2022年9月号 No.682
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オンラインによる意見交換会の様子(出所)マレーシア統計局(Micro, Small & Medium Enterprises (MSMEs)Performance 2021)より筆者作成。GDPは、実質GDP(2015年基準)。図表2 マレーシアのGDPに占める中小企業等の割合の推移(兆リンギット)1.6GDP(マレーシア全体)GDP(中小企業等)GDP全体に占める中小企業等の割合1.20.837.00.42015037.837.32016201738.3201838.938.120192020(%)40.039.038.037.437.036.02021再生」を一つの柱としている同計画において、デジタルトランスフォーメーション等により中小企業等の改革を進め、新たな成長源とすることが掲げられており、中小企業等は単なる支援対象ではなく、今後、経済回復の牽引役となることが期待されています。財務総研とSME Bankは、2011年に技術協力が終了した後も、交流を継続しています。2022年2月には、技術協力の効果の維持・確認等を目的としたフォローアップ活動として、財務総研、日本公庫及びSME Bankの三者によるオンラインでの意見交換会を開催しました。意見交換会には、SME Bank から、融資審査部門やリスク管理部門の職員等が参加し、財務総研と日本公庫の参加者と活発な議論が行われました。議論の中では、新型コロナウイルス感染症の拡大後の中小企業等の概況や、中小企業等向けに行った政府の支援プログラムについて、日本公庫とSME Bank双方から共有がありました。特に、SME Bankからは、マレーシアにある中小企業等の8割以上がインバウンド需要の減少の影響を大きく受けるサービス業であることから、今後そういった業界をどう支援していくか、また、返済猶予といった支援プログラムの期間満了後の対応が今後の課題であるとの説明がありました。加えて、SME Bankから、「技術協力から約10年が経過したが、その時に学んだ知識・スキルを活かし、信用スコアのシステム改修を行っている」、「現在も審査時には、技術協力の際に作成したフォーマットをベースに、その後適宜改良して使用している」と紹介される等、当時の技術協力で提供されたノウハウが、その後のSME Bankの業務運営において活かされていることが示されました。3. 財務総研による技術協力後の フォローアップ 72 ファイナンス 2022 Sep.

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