ファイナンス 2022年9月号 No.682
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FOREIGNWATCHER*1) 本稿は全て筆者の個人的な見解であり、筆者の所属する組織を代表するものではありません。*2) https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/germany/data.html*3) https://www.berlin.de/sen/uvk/_assets/natur-gruen/stadtgruen/daten-und-fakten/ausw_5.pdf*4) https://www.tagesspiegel.de/berlin/neue-zahlen-zu-bevoelkerung-in-berlin-35-prozent-der-berliner-haben-migrationshintergrund/25589402.htmlファイナンス 2022 Sep. 49 はじめにはじめまして。私は、平成26年入省の山下雄大と申します。現在、私はドイツで日本大使館に勤務しております。2021年の6月の着任でしたので、着任から1年余りが経過しました。*1 ドイツについて既にご存じのことも多いかとは思いますが、ドイツとはどんな国か簡単にご紹介したいと思います。人口は、約8,300万人(2020年9月、独連邦統計庁)と日本のおよそ3分の2程度。他方で面積は日本とほぼ同程度である35.7万平方km*2。したがって、人口密度は日本と比べるとかなり低く、都市部であっても緑が多く、大使館のあるベルリンでも総面積約870平方kmのうちおよそ3割が公園などの緑地または森林です*3。大使館の隣にも「ティアガルテン」という巨大ドイツに対して皆様が持つイメージはどんなものでしょうか。経済大国。国際的な都市。ビールとソーセージ...などなど。私はまさにこのようなイメージをもってドイツに参りました。今回、こうして「ファイナンス」への寄稿の機会をいただきましたので、この間に私が経験したドイツについて皆様にご紹介させていただければと思います。な森林公園があり、特に天気のいい休日は人々の憩いの場となっています。また、ドイツは外国にルーツを持つ人が多く住んでいます。特にベルリンでは、外国にルーツを持つ居住者の割合は35%にも上ると言われています*4。街中でもドイツ語、英語は当然のこと、フランス語やイタリア語、アラビア語と思われる言葉もよく耳にします。ドイツは、夏が短く冬が長いです。ベルリンでは、6月から8月頃までは最高気温が25度~30度前後の日が続きます。湿度が低いこともあり非常に過ごしやすい気候ですので、多くの人が店内ではなくテラス席で食事をとっており、店の前のテラス席は満席でも店内はガラガラといったこともよくあります。しかし、最近では時折欧州大陸全般に熱波が到来することもままあり、ベルリンでも最高気温が38度を記録する日もありました。ベルリンの近くには海はないですが、小さなものも含めるとたくさんの湖や池があります。夏場は大人も子供もこの湖で日光浴や水泳、水遊びを楽しんでいます。他方、8月後半にはこうした夏の暑さは早くも過ぎ去り、執筆時点の9月上旬は最低気温が12度前後、最高気温も22度前後であり、朝晩は肌寒く感じられます。さらに、10月にもなると、5度前後まで冷え込む日もありますので、早くも冬物のコートが必要です。冷え込みが最も厳しいのは、日本と同様1月2月ですが、この時期には氷点下10度を下回海外ウォッチャードイツの“これまで”、“今”、“これから” 生活から政治・経済、日独関係まで在ドイツ日本国大使館 二等書記官 山下 雄大*1

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