ファイナンス 2022年9月号 No.682
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2財務省における公文書管理についての*7) 詳細は公文書管理委員会の開催状況のうち、2021年度(第87回〜第94回)を参照。 *8) https://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2022/0420/shiryou2-1.pdf*9) 2022年度の開催状況のうち、第97回を参照。 *10) https://www.mof.go.jp/public_relations/statement/other/20180604chousahoukoku.html*11) https://www.mof.go.jp/about_mof/introduction/saisei/index.htmlhttps://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2021.htmlhttps://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2022.htmlその後、2021年度内に行政文書の管理に関するガイドラインなどの関係規定の改正が行われ、公文書管理のための新たなシステムの整備の検討が進められた*7。2022年度の最初の2022年4月20日開催の第95回公文書管理委員会では、「行政文書の電子的管理のためのシステム整備について(経過報告)」(内閣府大臣官房公文書管理課・デジタル庁省庁業務サービスグループ)が報告されている*8。その中で、「行政機関に、意思決定過程や事務事業の実績に関する文書の作成が義務付けられている以上、行政文書の作成、整理・保存等は、行政の営みの核となるものと言える。すなわち、行政文書の管理のデジタル化が実現されなければ、デジタル・ガバメントの実現は成しえない。」との重要な認識が示されている。また、「公文書管理業務については、その制度、現行の一元的な文書管理システムの操作等、必ずしも平易なものではない。制度や情報システムに詳しい職員ばかりではなく、個々の職員にとっては、固有の業務に加えて日々の公文書管理業務を行うことが、大きな負担となっている。このため、基本的な方針等で求められている改ざん防止や、各工程の自動化といった機能の実現に加え、デジタル化による情報の利活用を考慮し、分かりやすく簡素なシステムとすること、システムのUI・UXの向上を図ること等により、職員の負担を減らし、適正かつ効率的な行政の運営を目指すことも大きな目的の1つであることを確認したい。」としている点は、実務的な課題を的確に示していると考えられる。直近では、2022年7月28日開催の第97回公文書管理委員会*9で、新たに整備する文書管理のための情報システムで扱う行政文書及び業務の範囲並びに業務フローについて、内閣府公文書管理課から報告が行われ、質疑応答・意見交換が行われている。2018年6月4日、財務省は「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」を公表した*10。そのなかでは、文書管理について以下のような点を指摘した。○研修等を通じた職員に対する内閣府の公文書管理に係る新ガイドライン等の周知徹底及び確実な実施○幹部職員も含めた総合的な研修の実施○電子化されていない決裁について、電子決裁とすべく、業務フローの見直しを推進(本省及び財務局)○修正等が必要な場合には決裁を取り直すことを原則とするなど、決裁ルールの見直しの検討(その後実際に見直し実施済)財務省のホームページのトップメニューの「財務省再生プロジェクトについて」を開くと、「財務省が様々な課題に取り組むに当たっては、一連の問題行為を真摯に反省するとともに、信頼の回復に向けて、財務省の再生に取り組むことが極めて重要と考えています。このため、平成30年7月27日の新体制発足以降、ボストン・コンサルティング・グループの秋池玲子さんを財務省参与にお迎えし、一連の問題行為のようなことを二度と起こさないよう、省を挙げて、財務省再生のための取組(「財務省再生プロジェクト」)を進めています。」とある*11。 26 ファイナンス 2022 Sep.(4) 第95回公文書管理委員会における経過報告(「行政文書の電子的管理のためのシステム整備について(経過報告)」)(5)直近の動向(1) 「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」(2) 「財務省再生プロジェクト」における公文書の電子的管理の取組(1)「財務省再生プロジェクト」取組

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