ファイナンス 2022年8月号 No.681
42/74

画像提供:ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(2)「多様性を活かす力」令和4年5月16日(月)開催講師演題どの学校にも建学の理念というものがありますが、私たちの学校の場合、「変革を起こす人、これまでの価値観と違うものを生み出していける人、そういうチェンジメーカーを育みたい」という想いで現場を運営しております。チェンジメーカーを育てる3つの力として「多様性を活かす力」「問いを立てる力」「困難に挑む力」を掲げております。私たちは学校の建て付けから多様でありたいということで、軽井沢の2万坪の敷地の中に約200名の高校生が、80以上の国と地域から集って学んでいる高等学校です。インターナショナルスクールというと、国籍が多い学校というのはほかにもたくさんありますが、私たちの場合、多様性というのは国籍が多ければはじめに皆様おはようございます。現場におります一人の経営者である私にこのようなセミナーでお話しさせていただく機会をいただき、ありがとうございます。本日は私から一方的にお話しするのではなく、今の教育現場で起こっていること、あるいは日本の教育において何が不足しているのか、といったことを、配布資料にとらわれることなく、皆様とともに考えていきたいと思います。1.学校概要(1)建学の理念よい、ということではないと思っております。世界に渦巻いている分断とか軋轢とか紛争は、必ずしも国境だけが問題となるわけではなく、宗教観、歴史観の違いなどいろいろな要因が複雑に絡み合って引き起こされます。そこで、私たちの学校は、国籍の多さだけではなく、70%の生徒に奨学金を給付することによって、経済的社会的バックグラウンド、宗教観を含めてたくさんの多様性が渦巻く学校にしたいということを目指しております。この奨学金の給付がなぜ持続可能なのかということをご説明いたします。私どもでは約5億円の奨学金を出しておりますが、財源のほとんどが支援者の方々から集まるふるさと納税です。これがあるからこそ70%の生徒に奨学金を支給することができるのです。教員も80%~90%が外国人です。 38 ファイナンス 2022 Aug.令和4年度職員 トップセミナー小林 りん 氏(ユナイテッド・ワールド・カレッジ ISAKジャパン 代表理事)真の多様性を育む 〜ISAKの取り組み事例

元のページ  ../index.html#42

このブックを見る