ファイナンス 2022年7月号 No.680
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令和3年度補正予算13.8億円新市場開拓支援事業日本産酒類の販路拡大・消費喚起等推進事業8億円5.8億円無形文化遺産登録の機運醸成0.3億円販路拡大・消費喚起推進5.5億円酒類業振興関係の令和3年度補正予算 4 ファイナンス 2022 Jul.令和元年度に発生した新型コロナウイルス感染症の影響により、その感染が拡大するとともに、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令され、飲食事業者は、休業や時短営業を余儀なくされることとなった。特に飲酒を伴うことの多い、年末年始の忘年会、新年会や、3月から4月の歓送迎会といった会の開催も控えられることとなり、そうした場所を提供してきた居酒屋等の飲食店に重大な影響を及ぼすこととなった。その影響は、ひいては、そうした飲食店に酒類を卸している酒販店や酒造メーカーにも、甚大な被害をもたらすこととなった。上述のとおり、酒類業界の直面する厳しい状況がある中、国税庁の令和3年度補正予算(酒類業振興関係)では、新型コロナウイルス感染症の影響による外食産業の落ち込みに伴う酒類消費の大きな減退に対応するため、酒類事業者による販路拡大・消費喚起につながる取組や酒類事業者が直面する課題の解決に向けた新市場開拓のための取組への支援を推進している。具体的には(1)新市場開拓支援事業(8億円)、(2)日本産酒類の販路拡大・消費喚起等推進事業(5.8億円)となる。新市場開拓支援事業は、酒類事業者が直面する課題や新型コロナウイルス感染症拡大の影響で顕在化した課題等に対応した、酒類事業者による新市場開拓のための取組を支援(フロンティア補助金)している。日本産酒類の販路拡大・消費喚起等推進事業は、販路拡大・消費喚起推進(5.5億円)と無形文化遺産登録の機運醸成(0.3億円)に分かれる。販路拡大・消費喚起推進では、酒類事業者団体等による日本産酒類の販路拡大や消費喚起に向けた各種イベントや情報発信について、有効な開催手法や形態にかかるモデル事例の構築を行い、支援(Enjoy SAKE! プロジェクト)することとしている。なお、無形文化遺産登録の機運醸成では、「伝統的酒造り」の登録無形文化財登録が答申されたこと等を踏まえ、日本酒等のユネスコ無形文化遺産登録の機運醸成への取組を加速化している。新型コロナウイルス感染症の影響により、 苦しむ飲食業界や酒類業界令和3年度補正予算で 販路拡大・消費喚起に5.5億円新型コロナウイルス感染症の影響への対応「Enjoy SAKE! プロジェクト」を実施令和3年度補正予算で

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