ファイナンス 2022年7月号 No.680
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堺税関支署は、1970(昭和45)年竣工の堺港湾合同庁舎の1階と2階に入っています。環濠都市として栄えた堺の環濠跡は、今も川として残っています。大阪税関堺税関支署 統括監視官川﨑 勝俊【環濠都市の名残】 74 ファイナンス 2022 Jul.(1)堺港(2)環濠都市(かんごうとし)の政令指定都市です。地名の由来は、摂津・河内・和泉という3国の境にあったからと言われています。古くから西日本と海外をつなぐ主要港として栄え、現在は、堺・泉北臨海工業地帯を有する世界有数の経済規模を持つ大阪湾ベイエリアの一翼を担う総合港湾となっています。本日は、堺市の繁栄を支えた堺港の歴史と堺税関支署の歴史、堺市のおすすめ観光スポットをご紹介します。【堺税関支署 庁舎写真】発展してきました。現在は、大阪湾ベイエリアの一翼を担う総合港湾となっています。それでは、堺港の歴史を見ていきましょう。1.はじめに堺市は、大阪府の中南部に位置する人口約83万人2.堺港堺港は、古くから漁港として栄え、国際貿易により現在の堺港は、堺泉北港と呼ばれています。北は大和川を境に大阪港に隣接し、堺市・高石市・泉大津市の3市をまたぐ、南北14km、沖合10km、約9,000haの港湾区域を有する港です。かつて日明貿易や南蛮貿易で栄えた「堺港」と昭和以降に整備された「泉北港」が前身となっています。堺港は、古くから良好な漁港として発展し、南北朝時代には、南朝方の外港としての役割を果たしていました。室町時代の1469(文明元)年に遺明船が堺港に着岸したことがきっかけで国際貿易が盛んになりました。貿易によって莫大な富を得た堺の商人(豪商)は、武士による支配を受けない自治都市を形成するため、海に面する西側以外の三方に濠(ほり)をめぐらせました。こうした都市を「環濠都市」といいます。貿易都市として栄えた堺堺

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