ファイナンス 2022年7月号 No.680
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•急性疾患入院診療•回復期入院診療•救急医療•集中治療•包括的な外来診療•訪問診療・往診•予防医療•母子保健•精神保健•健康増進活動•地域包括ケア•法定感染症の管理•医療計画の管理(5疾病5事業・在宅医療)•母子保健/予防接種/健診・検診•精神保健•健康増進•中等症・重症者への治療•有症状者・濃厚接触者•施設や自宅で療養する無症状・軽症者の診療•クラスターが発生した介護・福祉施設での診療•感染者の診療状況の管理•感染経路と経緯を把握し、•効率的なワクチン接種の実施(リスクある方は個別接種、ない方は集団接種など)•ワクチン接種の後方支援出典:井伊・森山・渡辺論文 図12出典:井伊・森山・渡辺論文 図13図1 期待されるプライマリ・ケアの役割図2 COVID-19 パンデミックに当てはめると*10) 「地域の医療機関の治療アウトカム評価の指標」https://www.mof.go.jp/pri/publication/■nancial_review/fr_list8/r148/r148_08.pdf 66 ファイナンス 2022 Jul.公衆衛生/保健行政公衆衛生/保健行政感染拡大を防止(積極的疫学調査)らず、診療所でいいのに大学病院に通うということなどを指摘できます。また、コロナで経営が大変になったと言っても、診療報酬で加算されるなどして、受診の件数は整形外科を除いて減っているのにレセプトの点数(収入)は軒並みプラスになっています(井伊・森山・渡辺論文の表12)。これに加えてさまざまな補助金が出ています。その効果を測るためにも補助金に関する分析をできるようにすることも必要です。公立病院の事業報告書(財務諸表に当たるもの)は、「地方公営企業年鑑」で電子的に公開されています。本来であれば医療法人はもちろんのこと、法人登録をしていない小規模病院や診療所など全ての医療機関が電子的に事業報告書を開示するべきでしょう。また、現状では補助金は事業収益に含まれてしまい、補助金のデータだけを取り出し診療所医師11万プライマリ・ケアへのPCR・抗原検査期待されるプライマリ・ケアて分析することが出来ません。分析できるデータを開示するようにしていくことも必要です。網谷:データについてのお話が出たところで、少々脱線しますが、医療に関しては、エビデンスに基づいた議論をすることが重要であるところ、その大前提となるマイクロ(個票)データについて、今後研究を進めていくにあたり、どのようなデータや取組が必要でしょうか。効率的な医療政策の検証に加え、財政へ与えるインパクトの試算の視点から教えて頂けますと幸いです。井伊:最近利用できるデータが増えてきましたが、例えば伊藤・葛西論文*10で議論している「少数事例のマス病院医師21万専門医療(病院総合診療医も担当)専門医療

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