ファイナンス 2022年7月号 No.680
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(百万円)120,000110,000100,00090,00080,00070,00060,00050,00040,00030,00020,00010,000020,66025,09729,351平成24出典:国税庁課税部酒税課「酒のしおり」(令和4年3月)品目ウイスキー清酒リキュールビールジン・ウォッカ焼酎ワインその他合計出典:財務省貿易統計■品目別輸出金額 ウイスキージン・ウォッカ清酒焼酎リキュールワイン39,02942,99654,5032526272829令和3年対前年増減率46,15240,17812,0697,3613,3921,7466873,083114,668+70.2%+66.4%+40.0%+27.5%+68.0%+45.4%+97.6%+70.2%+61.4%中華人民共和国アメリカ合衆国シンガポールオーストラリア(参考)EU・英国(単位:百万円)■輸出金額上位10か国・地域 (単位:百万円)令和3年対前年増減率+85.2%32,025+72.0%23,811+48.0%14,758+42.3%9,307+80.5%5,748+32.3%5,0674,193+60.2%+26.6%3,878+44.0%2,763+267.6%2,03012,774+60.2%ビールその他114,66861,82766,08371,03030令和元3(年)国・地域香港台湾フランスオランダ大韓民国マカオ2最近の日本産酒類の輸出動向 8 ファイナンス 2022 Jul.酒類の国内市場は、中長期的に縮小が続いている。これは、少子高齢化や人口減少等の人口動態の変化、高度経済成長後における消費者の低価格志向、ライフスタイルの変化や嗜好の多様化等が原因と考えられる。また、各酒類の課税移出数量の構成比率の推移を見ると、近年、その構成が大きく変化していることがわかる。特にビールの課税移出数量が大きく減少しているが、これはビールから低価格の発泡酒やチューハイ、ビールに類似した酒類(いわゆる「新ジャンル」)に消費が移行していることが一因と考えられる。さらに清酒の課税移出数量は、全体として大きく減少しているが、純米酒及び純米吟醸酒については増加していることがわかる。更に、清酒製造業の出荷金額の単価は上昇し、出荷金額も平成24年から増加基調にある。これらは、より高付加価値の商品の需要の高まりを表すものと考えられる。一方で酒類業界の大半は中小企業だが、商品の差別化、高付加価値化、海外展開等に取り組み、成長している事業者も少なくない。そうした中で、国税庁では国内での酒類の販路拡大・消費喚起とともに輸出振興にも注力している。ここでは最近の酒類の輸出状況について紹介しよう。令和3年の日本産酒類の輸出金額は、約1,147億円(対前年61.4%増)となり、平成24年以降、10年連続で過去最高を記録した。輸出金額を品目別にみると、ウイスキーが最も多く約462億円(対前年70.2%増)、次いで清酒の約402億円(対前年66.4%増)、リキュールの約121億円(対前年40.0%)と続いている。一方、輸出金額を国・地域別にみると、中華人民共和国が約320億円(対前年85.2%増)でトップとなり、アメリカ合衆国が約238億円(対前年72.0%増)、香港が148億円(対前年48.0%増)と続いている。中でも清酒の輸出金額は、国際的な評価の高まり等を背景に、平成22年以降、12年連続で過去最高を記録している。清酒の輸出金額を国・地域別に見ると、中華人民共和国が約103億円(対前年77.5%増)と初めて最大の輸出国となった。次いでアメリカ合衆国が約96億円(対前年89.2%増)、香港が約93億円(対前年50.7%増)となった。輸出単価も12年連続で増加しており、マカオ、香港、シンガポール等が上位となっている。国内市場は縮小が続くが 高付加価値商品の需要の高まりも国・地域別の輸出金額では 中華人民共和国がトップ輸出金額は10年連続で過去最高を記録伸びしろの大きい海外市場に向け 日本産酒類の輸出振興に取り組む

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