ファイナンス 2022年6月号 No.679
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210 利上げした場合利上げしなかった場合*13) 1月から順番にアルファベットであるものの、Fから始まるため、読者の中には、1月をA、2月をBという形に振った方がわかりやすいと感じる人もいるかもしれません。一説によれば、Aなどはすでにその他の記号として使われているため、Fからスタートしています。*14) なお、Bloombergでは、FF金利先物についてはFF1というティッカーも用意しており、これはティッカーをつないでつくったジェネリックティッカーです。Bloombergでは具体的な過去の限月のつなげるルールを設定できます。FF金利先物以外にも、ユーロドル金利先物であればED1、SOFRであればSFR1とSER1がそれぞれ用意されております。なお、ユーロドル金利先物についてはEDというコード、SOFR先物についてはSER(1か月物), SFR(3か月物)というコードが存在します。中心限月を繋いだティッカーとして、ユーロドル金利先物についてはEDA、SOFR先物(3か月)についてはSFRA、SOFR先物(1か月)についてはSERAが用意されています*14。Bloombergで、WIR GOと叩けば、世界の金利先物の一覧をみることができます(CTM GOと叩くと先物の一覧をみることができます)。ファイナンス 2022 Jun. 45図表5 FF金利先物から見る利上げ予想(%)2.51.50.53月1日4月1日5月1日6月1日7月1日8月1日9月1日10月1日11月1日12月1日1月1日FOMCフェデラル・ファンド(FF)金利先物および利上げ(利下げ)確率入門月末金利先物から予測されるFFレートになるとします。FF金利先物から算出される予約金利が1.2%(つまり、IMM指数は98.8)とすると、利上げ確率をpとした場合、*13*14という関係が成立するとします。これは利上げがなされた場合(確率p)に1.25%となる一方、利下げされなかった場合(確率1-p)、FFレートが1%のままになると想定し、FF金利先物から示唆される予約金行の利上げ・利下げの予測に使われる傾向にあります。読者が新聞などでFF金利先物について目にする場合、中央銀行の利上げや利下げの予測の文脈であることがほとんどでしょう。そのため、ここではFF金利先物を用いてどのように利上げ(利下げ)確率を算出しているかについて説明を行います。ここでは利上げ確率に焦点を当てて説明をしていきます。利上げ確率のアイデアそのものは非常に簡単です。例えば、現在のFFレートが1%であり、2か月後に中央銀行が利上げをする可能性があるとします。仮に利上げをした場合、FFレートは0.25%上昇して1.25%p×1.25%+(1-p)×1%=1.2%BOX 1 金利先物のティッカー服部(2022a)でも説明しましたが、Bloombergは先物に関するティッカーを用意しています。具体的には各限月についてF(1月)、G(2月)、H(3月)、J(4月)、K(5月)、M(6月)、N(7月)、Q(8月)、U(9月)、V(10月)、X(11月)、Z(12月)が用いられます*13。FF金利先物についてはFFというコードがあるため、例えば、2022年3月限についてはFFH2というティッカーが存在しています。なお、最も取引が多い限月(中心限月)を繋いだティッカーとしてFFAがあるため、こちらを使えば中心限月をつないだデータを簡単にとることができます。

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