ファイナンス 2022年6月号 No.679
20/106

16 ファイナンス 2022 Jun.ウ. 【第3の柱】アジア債券市場育成イニシアティブ本会議では、上述のミスマッチの解消状況について調査を行っているADBから、調査の中間報告が実施された。また、当該調査の最終結果を基に、ABMIの次期中期ロードマップ策定に向けて、活発な議論がなされることへの期待が表明された。化)。日本はその設立以降、所長の輩出や拠出金の貢献などによってAMROを支援してきている。本会議では、昨年、ASEAN+3首脳会合にAMROが初めて参加したことやAMRO10周年記念イベントが成功裏に開催されたことが歓迎された。また、域内のサーベイランスやCMIMの実施支援等、AMROの業務における戦略的方向性の検討や地域のナレッジ・ハブとしての役割の具体的な方針についての議論の進展が歓迎され、年内に議論が完了することへの期待が表明された。更に、5月26日に退任する土井俊範所長に対して各国から感謝の意が表明されるとともに、次期所長にリー・コウチン氏が任命されたことを歓迎し、今後実りある連携が行われることへの期待が示された。(ABMI)アジア通貨危機の一因となった、ASEAN諸国における通貨と期間のミスマッチ(ドル等の外貨を海外から短期で借入れ、自国通貨建てで国内の長期融資を実施)の解消のため、ASEAN+3域内の現地通貨建て債券市場を育成し、域内の貯蓄を投資へと活用することを促進する取組みとして、2003年にABMIが開始された。ABMIの開始以来、ASEAN+3域内の現地通貨建て債券市場は着実に拡大している。

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る