ファイナンス 2022年6月号 No.679
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02 認定手続における争う旨の申出の推移改正商標法及び意匠法の概要事業者海外個人個人(件)6,0005,0004,0003,0002,0001,000平成19年6月~12月改正により権利侵害となることが明確化された行為改正前から権利侵害とされていた行為(注1)事業性のない者は罰則の対象外(注2)旅客の携帯品については従来の取扱いと同じ2021222324252627282930令和元3(年)郵送等で持込み輸入譲渡等事業者日本ファイナンス 2022 Jun. 7輸入者が争う意思を示さない場合は、税関において差止申立ての内容から侵害の該否を認定する。簡素化手続では「輸入者から争う旨の申出がない場合には権利者が書類を提出しなくてもいい」との点で手続きが簡素化されている。輸入者が争う意思を示す場合は、輸入者、権利者の双方から提出される証拠意見の内容によって侵害の該否を認定する流れになる。この簡素化手続の中で、「侵害物品に該当しない」と争う旨の申出が近年増加している。令和3年の認定手続開始件数は32,694件だったが、そのうち争う旨の申出件数は4,080件で1割強の輸入者が争う旨を申し出ている。そのほとんどが、「個人使用が目的である」との主張であり、多くの主張が認められ輸入が許可されている。こうした状況を踏まえ、令和3年5月に特許法等の一部を改正する法律が成立・公布された(施行日は、公布の日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日)。同法において商標法と意匠法が改正され、海外の事業者が模倣品を郵送等によって日本国内に持ち込む行為は、商標権及び意匠権の侵害行為となることが明確化された。従来は日本にいる者の事業性がポイントになっており、事業性のある者であればその輸入は権利侵害行為とされていたが、事業性のない者であれば侵害行為にはあたらなかった。今回の改正により、海外の者に事業性があり、そ

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