ファイナンス 2022年6月号 No.679
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ラムサールブランド認証品〜地元の人が地元の産品で地元の環境を守る〜 98 ファイナンス 2022 Jun.(1)棚田の耕作と日本酒造り(2) 自然との共生と観光・地域振興(エコツアー)(3)地域に根差した活動荒廃が進む鹿島の棚田を次世代に残すため、棚田米を活用した日本酒造り事業を行っています。棚田は災害時には土砂災害を防ぎ自然ダムの役割を果たしており、飯米を原料とした日本酒で付加価値を付け、農家収入のアップに寄与する新たなビジネス展開「3年後3.肥前鹿島干潟基金増額プロジェクト地域で環境とお金を回す仕組みづくりということで、平成28年度に肥前鹿島干潟基金増額プロジェクトを立ち上げました。家庭から出る生ゴミや、海岸清掃で集めたヨシや草などを堆肥として使用し生産した作物や加工品をラムサールブランド認証品とし、それらを購入した代金の一部が有明海の保全・再生に使用されるという、極めて地域循環に資する取り組みです。ラムサールブランド認証品としては、減農薬栽培の「ラムサール米」や耕作放棄地を活用し育てた「放牧牛」など10数種類が登録されており、学校給食や市内飲食店等でもメニューとして提供し、購入者も食べて応援することで、「美味しいものは、美しいになる」につながっています。また、肥前鹿島干潟基金は、募金・協賛金・寄付、グッズ販売、ブランド売上のほか、令和3年度よりラムサールブランド認証品をふるさと納税の返礼品としたことから寄附が激増しています。4. 令和3年度地域循環共生圏事業の取組み「〜一粒で二度おいしい作戦〜」の鹿島も守る酒」を図っています。また、その酒粕・ワラ・みかん粕などをみかん荒廃園の放牧牛のエコフィードとしており、耕作放棄地対策や豪雨・土砂災害対策、新たなビジネス展開に繋げる取組みとなっています。ヒドリガモによる海苔の食害が深刻となるなど、自然との共生が求められています。カモ誘導の実証実験をビジネスマッチングで公募し、LED投光器での照射による誘導に成功しました。また、使用したLED投光器をイルミネーションとして有効活用できることから干潟沿いの石畳へのライトアップを実施し、約200名の集客を図るなど、ラムサール事業に対する認知度アップとなりました。今後は、ナイトツーリズムとしての観光スポット化を図ることとしています。肥前鹿島干潟(ラムサール登録地)までの交通手段として、シェアサイクルの導入のほか、トゥクトゥクを使った実証実験を行うなど、駅周辺の周遊エコツアーを開催しています。将来的には肥前鹿島駅整備計画と連動し、グリーンスローモビリティの導入を図り、肥前鹿島干潟のゼロカーボンパークを目指しています。干潟の美化と参加者の社会貢献への意識を高め、地域のより良いコミュニティ構築を図るために、ボランティア活動での清掃活動にスポーツの要素を取り入れグリーンインフラとしての付加価値をつける うえでの科学的評価、地域の自然を活かした ストーリー作りや商品企画

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