ファイナンス 2022年5月号 No.678
80/88

【昭和30年の鳥栖駅】鳥栖税務署 総務課長中村 孝則〔交通の要衝〕 76 ファイナンス 2022 May.現在の管轄区域は、鳥栖市、神埼市と三養基郡(基山町、上峰町、みやき町)、神埼郡(吉野ヶ里町)の2市4町で、管内面積は約327km2、管内人口は約174,000人です。当署管内は佐賀県の最東部に位置し、北部の背振山地、南部の筑後川が福岡県との県境となっており、水と緑に恵まれた豊かな自然環境がある一方で、鳥栖プレミアムアウトレットやJリーグサガン鳥栖のホームスタジアムである鳥栖スタジアム(駅前不動産スタジアム)など、広域的な集客施設が立地し、九州内外から多くの人が訪れています。鳥栖は古来より「交通要衝の地」としての歴史を積み重ね、江戸時代には長崎街道の田代・轟木(とどろき)の2ケ所の宿場町、そして明治時代以降は「鉄道の町」として発展してきました。広大な車両基地であった鳥栖機関区の最盛期には60両を超える蒸気機関車、5,000人近くもの鉄道員が勤務し、敷地は42ha、これは福岡ソフトバンクホークスの本拠地である福岡1 はじめに鳥栖税務署は、明治29年11月に轟木税務署として設置され、その後、大正13年11月に一旦は佐賀税務署との合併に伴い廃止されましたが、昭和23年12月、佐賀税務署管内の一部(三養基郡、神埼郡)を管轄区域として再度、設置されました。現庁舎は昭和47年に新築され、その後、平成21年に増築されましたが、昭和23年に鳥栖税務署として再度設置されて以降、庁舎場所は移転することなく、今に至ります。2 管内の特色PayPayドームの6倍の面積で、九州最大級の広さを誇っていました。その後、高度経済成長期に入ると自動車の発達と道路の整備が急速に進むことで、陸上輸送の主役は鉄道から自動車に代わり、鳥栖は福岡県・熊本県・宮崎県・鹿児島県を結ぶ南北軸と長崎県・大分県を結ぶ東西軸の交点に位置する地理的条件から九州陸上交通網の要衝の地として発展することになりました。現在、九州の主要高速道路である九州縦貫自動車道と九州横断自動車道は、鳥栖ジャンクションで結ばれていて、九州の主要都市を結ぶ節点として重要な役割を果たしていますが、鉄道でも平成23年3月の九州新幹線の全線開通に伴い新鳥栖駅が開業し、「鉄道の町」の歴史に新しい1ページを加えたところであり、今年の9月には、西九州新幹線の開業で、鳥栖は「交通要衝の地」として更なる発展を遂げようとしています。九州が交差する街 鳥栖鳥栖

元のページ  ../index.html#80

このブックを見る