ファイナンス 2022年5月号 No.678
72/88

*14) オンラインでの参加者と対面での参加者が混在した開催方式。*15) 令和3年度インドワークショップ:https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/indiaws/indiaws2021.html 令和3年度ASEANワークショップ:https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/fy2021/asean2021.html*16) Dr. Shashanka Bhide(Senior Advisor)、Dr. Poonam Munjal(Senior Fellow) 2020年度2021年度・インド経済の展望・第2次モディ政権のもとでのインド政治・The Digital Economy・India and RCEP Agreement・モディ政権の対外経済政策~保守化する貿易政策の背景と課題~・新型コロナウイルスを踏まえたインドの政治・経済情勢・インドのデジタルエコノミー課税・The Covid-19 Pandemic and the Indian Economy: An exploratory assessment of Production Sectors・India and the Coronavirus Pandemic:Economic Losses for Households Engaged in Tourism and Policies for Recoveryワークショップの開催が主流になってきていますが、これにより両ワークショップにおける議論にどのような変化が生じたと考えられますか。私の印象としては、対面と比べてオンライン方式でのワークショップでは、出席者からの意見の数が少なくなったように思いますが、オンライン方式の利点もあると考えています。オンライン方式であれば、従来参加のハードルが高かった海外など遠方からの参加が容易となりますので、オンライン・オフライン双方の利点が享受できるハイブリット方式*14が望ましいように感じています。―最後に、財務省(ひいては日本政府)が両ワークショップをどのように活用していくべきか、という点について御意見を伺えますか。私の希望としては、両ワークショップで議論した内容や論点として扱った成果を、財務省あるいは日本政府の政策立案等に大いに活用していただきたいと思っています。具体的には、インドあるいはASEANを始めとした海外との協議や経済連携、あるいは援助・協力を考える際に活用していただきたいと思いますし、また、活用してもらえるような内容を取り扱う場にしていかなければいけないと思っています。現状(本稿執筆の2022年4月時点)、インドワークショップは11年目、ASEANワークショップは6年目を迎えています。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、2020年秋以降は、原則としてオンライン方式で開催しています。オンライン方式への移行により、東京以外の地域や海外からの参加が容易になったこともあり、従来の対面方式の頃よりもより広い範囲の有識者の方々の参加(1)インドワークショップ(2)ASEANワークショップ 68 ファイナンス 2022 May.2. 2021年度のインド・ASEANワークショップの取組みを得て、より幅広い視点からの意見交換を行うことができるようになりました。なお、両ワークショップの議論に用いられた講演者の資料等については、財務総研のホームページで公開しています。*15インドワークショップでは、日本企業の方々などに発表いただいているほか、財務総研と交流関係にあるICRIER(インド国際経済関係研究所)やNCAER(インド応用経済研究所)といったインド国内の研究機関からも研究者を招へいするなどし、それらの方々から貴重な知見を得るとともにインド経済に関する議論を深めています。直近のワークショップ(2022年2月18日開催)では、NCAERのShashanka Bhide氏及びPoonam Munjal氏*16から、新型コロナウイルスの業種間による影響の違いや観光業へのインパクト等について、現地研究所の視点から発表いただきました。発表の中では、新型コロナウイルス感染症の拡大は、インド経済に甚大な影響を与えた一方で、インフラ開発やデジタルテクノロジー、新たな医療サービスの推進等が、今後力強い経済回復を果たす新たな契機となる可能性などについてご説明いただきました。図表1 直近3年間のインドワークショップのテーマ2019年度・2期目を迎えたモディ政権下のインド経済の展望と課題ASEANワークショップは、2016年に、ASEANの動向(メンバー国の動向を含む)についての財務省内関係部局の情報・意見交換等を目的に、「ASEAN勉

元のページ  ../index.html#72

このブックを見る