ファイナンス 2022年5月号 No.678
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7 が参加している。 参考:外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/■les/100284650.pdf〈浦田座長プロフィール〉浦田 秀次郎(うらた しゅうじろう) 早稲田大学 名誉教授慶應義塾大学経済学部卒、スタンフォード大学Ph.D(経済学)取得。ブルッキングズ研究所研究員、世界銀行エコノミストなどを経て2005年より2020年まで早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。現在、日本経済研究センター特任研究員等を兼務。専門は国際経済学。著書に『国際経済学入門』(日本経済新聞出版)等。*1) ASEAN地域の関税の撤廃等、経済的統合を目的として2015年に創設された。*2) 2020年に署名され2022年に発効した、地域的な包括的経済連携協定。ASEAN10か国、日本、中国、韓国、オーストラリア及びニュージーランド財務総合政策研究所 総務研究部 国際交流課 研究員 町田 孝陽同 上席研究員 金井 優洋同 研究員 田中 祥司同 研究交流係長 井山 まりな―インドワークショップとASEANワークショップは、それぞれ2011年と2016年に開始されています。浦田先生には両ワークショップの開始当初から座長をお務めいただいていますが、両ワークショップ開始時の背景や当時の問題意識はどのようなものでしたか。まずインドに関してですが、2011年当時、インドは積極的に経済の対外開放政策を推進する中にあったと記憶しています。2000年代に入って、シンガポールとの自由貿易協定(FTA)の発効(2005年)を始めとして、アジア諸国との間で積極的にFTAを発効させていました。更に2011年には、IJCEPA(日・印包括的経済連携協定)も発効し、インド市場の対外開放が更に進むのではないかという期待が持たれていました。当時は、自動車、薬品、食品分野の日本企業がインド市場そのものに魅力を感じていたことに加え、インドを拠点とした中近東、アフリカ市場への進出も視野に入れた積極的な対印直接投資も始まっていた時期かと思います。また、ASEANに関しては、ワークショップ開始前年の2015年にはASEAN経済共同体(ASEAN Economic Community)*1が発足していましたし、当時交渉が進んでいたRCEP(地域的な包括的経済連携協定)*2にも、ASEANは積極的に関わっていました。当時は、ASEANを中心とした地域的な枠組みの形1.浦田座長へのインタビュー(1) インド・ASEANの経済発展と今後の展望について 64 ファイナンス 2022 May.インド・ASEANワークショップの取組み財務総合政策研究所(以下、「財務総研」)では、インドとASEAN諸国の現状と政策に対する認識を深めるため、インドワークショップ及びASEANワークショップを開催しています。今月のPRI Open Campusでは、両ワークショップの開始当初から座長を務めていただいている浦田秀次郎 早稲田大学名誉教授にインタビューを行い、最近のインド・ASEAN地域の情勢をお聞きするとともに、最近の両ワークショップの取組みについて「ファイナンス」読者の皆様に紹介していきます。インド・ASEAN ワークショップの取組み

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