ファイナンス 2022年5月号 No.678
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9 1,4631,3899745961,058731614583498日本公庫・沖縄公庫実績4243512531891188717ファイナンス 2022 May. 31恩給担保貸付の原則廃止にあたって*14) 貸付実績は、当時の物価変動等を勘案していない計数であることには留意する必要がある。また、日本公庫及び沖縄公庫の双方が取得可能な年度を用いている(単位未満四捨五入)。日本公庫及び沖縄公庫における恩給担保貸付実績*14(単位:億円)1,6001,4001,2001,0008006004002000最盛期には、1年度間に1,000億円を超える小口資金を供給してきた事実は、この恩給担保貸付が、明白な行政需要に裏打ちされた政策だったことを示しているだろう。一方で、制度創設当時と比較し、代替となる制度が整備されつつあることも事実であり、既に恩給担保法が目指したその政策目的は概ね達せられたとの評価も可能であろう。当初においては極めて実需に応じた、合理的な理由に基づく制度・政策であり、国民の皆さまの実需に応じて累次に渡り制度を拡充・充実してきたとしても、社会・経済環境が変容する中で、その制度・政策が時代の役目を果たした際には、縮小に向けた検討が必要となる。社会・経済環境が目まぐるしく変化する今日においてこそ、望ましい資金供給を実現するため、今どのような制度設計をするべきなのか、また、制度改善すべき点はないかといった視点を見落とすこと無く、不断の検討を行っていくことが重要ではないだろうか。恩給担保貸付という実例は、国民の皆様の実需に応じ、制度・政策を企画立案するとはどういうものなのかということを、その時代の役目を果たすにあたり、令和の時代における政策担当者に対し、改めて問いかけている。*14(以上)

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