ファイナンス 2022年4月号 No.677
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2 燕三条と三条燕三条市内と燕市内を走る上越新幹線の停車駅名は「燕三条」、北陸自動車道のIC(インターチェンジ)名は「三条燕」。名称によって「燕三条」であり、「三条燕」であるのは一体なぜでしょうか?新潟税関支署三条燕政令派出所 上席監視官坂上 正紀新潟税関支署三条燕政令派出所派出所付近の交差点の青看板も「三条燕」と「燕三条」が混同している当派出所は、新潟税関支署が管轄する区域のうち三条市、燕市、見附市及び弥彦村の3市1村を分担区域としており、内陸部の通関拠点(インランド・デポ)として、燕三条地域の代表的産業である金属洋食器、作業工具や測定機器、木工製品、アウトドア用品を中心とする輸出入貨物の通関手続及び同区域に所在する保税蔵置場にかかる保税取締業務等を担当しています。1 はじめに東京税関新潟税関支署三条燕政令派出所は、新潟県をはじめ、地元の三条市及び燕市から税関官署設置の要請陳情を受け、平成5年3月、新潟市中心部から約40キロ離れた内陸部にある(財)新潟県県央地域地場産業振興センター(現名称「(公財)燕三条地場産業振興センター」)内に開設されました。昭和40年代に建設された上越新幹線。新潟駅と長岡駅を建設することが先に決定され、その中間である燕市か三条市にもう一つ駅を建設することとなり、両市の間で誘致合戦が繰り広げられました。その結果、燕市と三条市の境界線上に設置することが決まったのですが、今度は駅の名称で問題が発生。燕と三条を駅名に入れることは決まったもののどちらの地名を先にするかということで、最終的には新潟県出身の当時の首相田中角栄が仲裁に入り、駅名は「燕三条」(但し、駅長室は三条市に設置)に決定したそうです。また、同時期に建設されたのが北陸自動車道のIC。ICの名前は「三条燕」(但し、ICの出入り口は燕市に所在)で決定。これは新幹線の駅名が、燕の地名が先になった代わりにICは三条の地名が先になったから、とのことです。燕三条と三条燕、これらの名称にはこんな背景があったと言われています。この背景から垣間見えるように両市はライバル関係のようであり、その関係の始まりは江戸時代まで遡り、その当時燕が「職人ものづくりのまち燕三条〜金属加工とラーメンとパワースポットと〜燕三条

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