ファイナンス 2022年4月号 No.677
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経費8.99.1経費9.1経費8.6経費8.0経13.4費10.1経費10.1新市場開拓用米作付支援2.0所得3.3所得3.3産地交付金産地交付金戦略作物戦略作物助成助成販売収入販売収入主食用米(出所)農林水産省「経営所得安定対策等の概要(令和3年度版)」(出所)農林水産省「経営所得安定対策等の概要(令和3年度版)」飼料用米、米粉用米WCS用稲加工用米麦、大豆、飼料作物飼料用米、米粉用米WCS用稲加工用米麦、大豆、飼料作物資料1 転作助成金による主食用米の生産抑制1.米の転作助成金●水田活用の直接支払交付金(2022年(R4)当初予算額3,050億円)1.国が全国共通の単価を設定する枠(戦略作物助成)対象作物国から配分する資金枠の範囲内で、都道府県等が交付対象作物・交付単価等を決定(輸出用米や高収益作物を含む)。国から配分する資金枠の範囲内で、都道府県等が交付対象作物・交付単価等を決定(輸出用米や高収益作物を含む)。(参考)WCS用稲(Whole Crop Silage、稲発酵粗飼料)(参考)WCS用稲(Whole Crop Silage、稲発酵粗飼料)稲の実と茎葉を一体的に収穫し、発酵させた牛の飼料2.地域ごとに単価を設定できる枠(産地交付金)稲の実と茎葉を一体的に収穫し、発酵させた牛の飼料2.地域ごとに単価を設定できる枠(産地交付金)2.水田における主食用米等の所得(イメージ)所得5.1+地域地域設定設定複数年契約1.2所得地域設定2.8複数年契約+1.2地域設定所得2.8+地域設定10.510.513.48.0経費8.68.0経費8.01.6飼料用米標準単収2.12.1主食用米1.6飼料用米標準単収飼料用米多収飼料用米多収地域設定複数年契約1.2地域設定所得複数年契約5.11.2+地域設定(単位:万円/10a)(単位:万円/10a)所得1.8+地域設定所得地域設定1.8新市場+開拓用米地域作付支援2.0設定8.9新市場開拓用米新市場開拓用米地域設定主計局主計官 野村 宗成1.米の転作助成金*1) 「水田活用の直接支払交付金」とは、水田を活用して主食用米以外の作物を生産(転作)した農家に対し交付する交付金をいう。水田活用の直接支払交付金(2022年(R4)当初予算額3,050億円)1.国が全国共通の単価を設定する枠(戦略作物助成)交付単価対象作物交付単価収量に応じ、5.5万円~10.5万円/10a収量に応じ、5.5万円~10.5万円/10a8.0万円/10a2.0万円/10a3.5万円/10a8.0万円/10a2.0万円/10a3.5万円/10a1. 令和4年度農林水産関係予算の基本的考え方転作助成金による主食用米の生産抑制(1)米政策の在り方について主食用米需要が少子高齢化等を背景に減少を続ける中、我が国においては、水田における主食用米から他の作物への転作を助成(水田活用の直接支払交付金*1)することによって、需要の減少と概ね足並みを揃える形で主食用米の生産を減少させてきた(資料1参照)。しかし、低収益作物への転作ほど助成金単価が高く設定されている中、我が国の水田農業においては、経営規模が大きくなるほど助成金への依存度が高まり、また収益性が低下するという傾向が見られる(資料2参照)。本来大規模経営体には、逆に水田農業全体の収益性の向上をリードしていくことが期待されるところである。こうしたparadoxicalな状況を打開し、水田農業全体の収益性向上を図る上では、輸出用米や野菜・果実等の「高収益作物」への転作を促していく必要がある。また、そうした取組は、主食用米の国内需要の減少傾向が止まらず、転作面積の拡大傾向が続く中において、本転作助成金の財政的持続可能性を確保していく上でも必要である。以上のような問題意識を踏まえ、令和3年度補正予算においては、主食用米から輸出用米や高収益作物への作付転換の促進に向け、生産者と実需者の連携による水田農業の生産性向上のための取組を支援することとしている(新市場開拓に向けた水田リノベーション事業等:453億円)。また、令和4年度予算においては、「水田活用の直接支払交付金」(3,050億円)について、輸出用米や高収益作物への作付転換を進めるべく、産地交付金による飼料用米等への転作支援の加算措置を原則廃止するとともに、今後5年間に一度も水【資料1】転作助成金による主食用米の生産抑制【資料1】張りを行わない農地を交付対象外とする等の見直しを実施することとしている。2.水田における主食用米等の所得(イメージ)令和4年度 農林水産関係予算について

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