ファイナンス 2022年3月号 No.676
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各地の話題協力隊は、ニセコ町の多様性を象徴するような存在であり、その推進役といえます。加えて、ニセコ町は「町民一人ひとりが自ら考え、行動する」まちづくりを続けています。まちづくりの担い手たる協力隊にもこの実践を求めています。行政はあくまで後方支援の立ち位置です。4「自ら考え、行動する」地域おこし協力隊ニセコ町の協力隊の活動内容は、大きく3つです。農業や観光といった各分野の配属先での活動、自身の卒業後の自立・定住に向けた活動、そして協力隊全体でのまちづくりの活動(以下、「全体活動」という。)です。この全体活動の取組をいくつか紹介します。なお、全体活動の検討などのため、ニセコ町の協力隊は、毎週水曜日の午後に集まり、打合せ(全体ミーティング)を行っています。これは協力隊同士の交流・ネットワークづくり、といった意味もあります。写真(2):全体ミーティングの様子《まちの魅力PRプロジェクト》スノーリゾートとしてだけでなく、多様なアクティビティ・グルメが楽しめるニセコエリアの魅力を伝えるため、協力隊が自ら体験し、その体験を動画配信も含めSNS等で発信する取組です。地元の観光協会とも連携して取り組み、40を超える体験・グルメの発信を行いました。コロナ禍により観光業が大きな影響を受けていることを受け、少しでも集客につながればとの思いから企画されたものです。写真(3):ラフティング体験の動画配信の様子《オリジナル土産品開発》ニセコ町では多種多様な農畜産物を生産しています。高級食材として扱われる「ゆり根」もその一つですが、コロナ禍により消費が減り、行き場を失ったゆり根をパイまんじゅうとして商品化しました。農家や加工事業者、町とも連携して進めたものですが、パッケージデザインを協力隊が担うなど、協力隊のスキルが生かされた取組となりました。写真(4):ゆりねパイまんじゅうこのほかにも、・コロナ経済対策として町が行ったテイクアウト・デリバリー店支援策と連動し、そのお店や商品をPRする取組・多くの行事が中止になる中、コロナ対策の工夫をしたうえで、子どもたち向けの夏休み企画やクリスマスイベントの実施・自分たち協力隊の取組を発信し知ってもらい、今後の協力隊の応募者増加にもつなげるための独自WEBサイトの構築・オリジナルロゴの作成 ファイナンス 2022 Mar.89連載各地の話題

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