ファイナンス 2022年3月号 No.676
21/102

行額を大幅に縮減(対前年度▲3.7兆円の1.8兆円)するなど、地方財政の健全化に資する内容となった。あわせて、・「地域デジタル社会推進費」を引き続き計上し、・公共施設の長寿命化や脱炭素化の取組等を支援するため、「公共施設等適正管理推進事業債」を延長・拡充するなど、現下の課題にも対応するものとしている。3. 令和4年度地方財政対策 (通常収支分)について(1)地方の歳出の見込みA)一般行政経費令和4年度の地方の一般行政経費については、補助事業として23兆4,578億円(対前年度+5,162億円)、地方単独事業として14兆8,667億円(対前年度+371億円)が計上されている。地域社会のデジタル化を集中的に推進するため、令和3年度及び令和4年度限りの措置として引き続き「地域デジタル社会推進費」を2,000億円計上している。地方創生のための「まち・ひと・しごと創生事業費」については、地方公共団体が自主性・主体性を最大限発揮して地方創生に取り組み、地域の実情に応じたきめ細やかな施策を可能にする観点から、前年度同額の1兆円を計上している。これらの結果、一般行政経費は、41兆4,433億円(対前年度+5,609億円)となっている。B)投資的経費投資的経費については、11兆9,785億円(対前年度+512億円)を計上している。このうち、国の直轄事業、補助事業に係る経費は、5兆6,648億円(対前年度▲488億円)となっている。地方単独事業に係る経費については、公共施設の長寿命化や脱炭素化の取組等を支援するため、「公共施設等適正管理推進事業費」を1,000億円増額した上で、事業期間を令和8年度まで5年間延長することとしており、全体で6兆3,137億円(対前年度+1,000億円)となっている。【資料:令和4年度地方財政対策のポイント(概要)】1.地方交付税の全体像•一般会計から交付税特会に繰り入れる地方交付税交付金等(入口ベース)は、好調な税収により、国税の法定率分が増加する一方、折半対象財源不足の解消に伴う特例加算の剥落等を反映し、15.9兆円(▲0.1兆円)。•交付税特会から地方団体に交付される地方交付税交付金(出口ベース)は、前年度までの税収上振れに伴う繰越財源も活用し、リーマン・ショック後最高となる18.1兆円(+0.6兆円)を確保。2.地方一般財源総額の確保•一般財源総額:62.0兆円⇒前年度と同水準を確保3.地方財政対策の主なポイント(1)臨時財政対策債の抑制•過去最高の地方税収等を背景に、臨時財政対策債(赤字地方債)を大幅に縮減(▲3.7兆円)。(2)「地域デジタル社会推進費」の継続•地域社会のデジタル化を推進するため、「地域デジタル社会推進費」0.2兆円を引き続き計上。(3)「公共施設等適正管理推進事業債」の延長・拡充•公共施設の長寿命化や脱炭素化の取組等を支援するため、「公共施設等適正管理推進事業債」を延長(5年間)・拡充(+0.1兆円)。令和4年度地方財政対策のポイント(概要)※1・2※1国と地方が折半で負担する財源不足は、2年ぶりに解消(▲3.4兆円)。※2地方税の減収補填に係る特例交付金は、新型コロナ感染症の影響を受けた事業者の償却資産に係る固定資産税の減免の終了等により縮小(▲0.1兆円)。※3※3水準超経費(不交付団体の超過財源見合いの歳出)を除く。 ファイナンス 2022 Mar.17令和4年度予算特集:2令和4年度地方財政対策について 特 集

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る