ファイナンス 2022年3月号 No.676
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文中、〔 〕書きの金額は、令和3年度当初予算比の増減を表す。○ 経済産業省予算1 概観経済産業省の令和4年度一般会計予算は、科学技術振興費を増額する一方、エネルギー対策特別会計への繰入の削減やデジタル庁にシステム関係予算の計上所管替えを行ったこと等により、対前年度当初予算で▲146億円の9,024億円となっている。経済産業省の令和4年度一般会計予算では、科学技術立国推進のため、科学技術振興費の伸びを確保することとし、特に、スタートアップ支援、デジタルインフラの整備や基盤技術開発、サイバーセキュリティの確保、半導体等の戦略技術の育成や管理などに必要な予算を計上している。また、中小企業対策費については、貸出動向等を踏まえた政策金融に要する経費の減少の一方で、「下請けいじめゼロ」の実現、賃上げが可能となる環境整備の促進のための取引適正化対策強化及びコロナ禍で債務が過大となった事業者の事業再生や事業承継の支援体制の強化といった分野を重点的に措置しつつ、デジタル化をはじめ生産性向上に向けた支援など現下の中小企業を取り巻く経営課題に対応するために必要な予算を計上している。エネルギー・グリーン関連では、2050年までのカーボンニュートラル目標に向けて、予算の重点化・効率化を進めつつ、太陽光、洋上風力、地熱等の再生可能エネルギーの導入、クリーンエネルギー自動車の導入や、水素、アンモニア等の実用化・普及に向けた研究開発を加速するために必要な予算を計上している。東日本大震災復興特別会計においては、特定復興再生拠点区域外の住民の帰還に向けた意向調査の実施や、福島イノベーション・コースト構想の実現等に必要な予算を計上し、引き続き復興支援を推進することとしている。【経産】計数表(単位:億円)項目3年度当初(1)4年度 予算(2)対3年度当初 (2)-(1)経産省 一般会計9,1709,024▲146▲1.6%科学技術振興費1,0901,104141.3%中小企業対策費1,0981,095▲3▲0.3%その他1,3281,314▲15▲1.1%上記以外3,5173,512▲4▲0.1%エネルギー対策特会への繰入5,6535,512▲142▲2.5%エネルギー需給勘定4,1094,079▲30▲0.7%電源開発促進勘定1,5441,433▲111▲7.2%復興特会(経産省関連)453309▲144▲31.7%※ 3年度予算は、4年度予算との比較対照のため、組替えをしてある。2 科学技術関係科学技術立国推進のため、スタートアップ支援、デジタルインフラの整備や基盤技術開発、サイバーセキュリティの確保、半導体等の戦略技術の育成や管理などに必要な経費を確保しており、一般会計の科学技術振興費で1,104億円〔+14億円〕を計上している。具体的には、スタートアップのエコシステム構築に26億円〔+4億円〕を計上するほか、官民データ連携のためのアーキテクチャなどのデジタルインフラの整備や基盤技術の開発支援に22億円〔新規〕、経済安全保障の一環として社会のデジタル化に不可欠な次世代半導体の研究開発に149億円〔+7億円〕(一部エネルギー対策特別会計)を計上している。令和4年度 司法・警察、経済産業、環境予算について主計局主計官 坂口 和家男10 ファイナンス 2022 Mar.特 集

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