各地の話題大自然に溶け込む街 釧路釧路税務署 総務課長田川 浩史 はじめに釧路税務署は明治30年4月に設置され、北海道の東部に位置する釧路市を拠点として、1市6町1村を管轄しています。管轄面積は約6,000km2と全国2位の広さがあり、ほぼ茨城県に匹敵します。その中には、2つの国立公園と、1つの国定公園があり、手つかずの自然も多く残されています。沿岸部の気候は年間を通じて冷涼で、特に7~9月の最高気温の平均は20度前後と、街全体が天然のクーラーのようで、残暑もありません。また、6~8月頃は、地元で「じり」と呼ばれる粒の大きい霧が観測されます。傘を差しても上半身まで湿るため、一見厄介者のようですが、街は映画のワンシーンのように幻想的な風景に包まれます。 管内の名所〔釧路湿原国立公園〕釧路湿原は、日本最大の湿原として国立公園に指定されており、特別天然記念物のタンチョウが生息する自然豊かな環境です。国立公園の広さは287.88km2あり、東京のJR山手線の内側(約63km2)と比べると、約4.5倍もの広さになります。その中を一級河川の「釧路川」が大きく蛇行しながらゆったりと流れており、その雄大さに思わず心を奪われてしまいます。この釧路川は、湿原内での高低差が少なく、人工的なダムや堰が無いという特徴があり、カヌーやカヤックでのんびりと川下りを楽しむことができます。また、湿原の縁を通るJR釧せん網もう本線からの車窓は格別で、特に眺めの良いポイントを通常よりゆっくり走る「くしろ湿原ノロッコ号」、冬季はSLがけん引する「SL冬の湿原号」という観光列車が走ります。運が良ければ、釧路川で水浴びするエゾシカや、つがいで仲睦まじいタンチョウなど、季節ごとに、大自然の中で生きる様々な野生動物の姿を見ることができます。〔厚あっ岸けし霧きり多たっ布ぷ昆こん布ぶ森もり国定公園〕令和3年3月に新たに国定公園として指定され、ほぼ原生的な状態で湿原と大小の湖沼が点在し、変化に富んだ海岸景観と美しい植物群落を特色とする自然豊かな地域です。多くの野鳥や、湿原特有の植生が発達しており、多数の花々が見られます。また、国定公園内にある厚岸湖で養殖された牡蠣は釧路市 ファイナンス 2022 Feb.87連載各地の話題
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