ファイナンス 2022年2月号 No.675
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で、民需主導の自律的な成長と「成長と分配の好循環」の実現に向けて着実に前進していく。また、消費者物価(総合)変化率は、0.9%程度と見込まれる。ただし、引き続き、感染症による内外経済への影響、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意するとともに、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。具体的な項目別の計数は以下の通りである。(1)各項目の見通し(ア)実質国内総生産(実質GDP)(i)民間最終消費支出感染拡大防止と社会経済活動の両立が図られる中で、社会経済活動が正常化に向かい、また、雇用・所得環境の改善が進むことにより、増加する(対前年度比4.0%程度の増)。(ii)民間住宅投資緩和的な金融環境の下、おおむね横ばいで推移する(対前年度比0.9%程度の増)。(iii)民間企業設備投資「経済対策」の効果もあって、デジタル化・グリーン化の促進等に伴い、増加する(対前年度比5.1%程度の増)。(iv)政府支出過去の経済対策等の実施が進んだ一方で、「経済対策」に伴う政府支出や、社会保障関係費の増加等により、おおむね横ばいとなる(対前年度比0.1%程度の増)。(v)外需(財貨・サービスの純輸出)海外経済の回復に伴い、増加する(実質GDP成長率に対する外需の寄与度0.2%程度)。(イ)実質国民総所得(実質GNI)実質GDP成長率と同程度の伸びとなる(対前年度比3.1%程度の増)。(ウ)労働・雇用社会経済活動が正常化に向かう中で、雇用者数は増加し(対前年度比0.4%程度の増)、完全失業率は低下する(2.4%程度)。(エ)鉱工業生産内外経済の回復に伴い、増加する(対前年度比5.0%程度の増)。(オ)物価消費者物価(総合)は、経済の回復や前年度における携帯電話通信料の影響が剥落する下で、上昇する(対前年度比0.9%程度の上昇)。こうした中でGDPデフレーターは上昇する(対前年度比0.4%程度の上昇)。(カ)国際収支所得収支の黒字が続く中、経常収支の黒字はおおむね横ばいで推移する(経常収支対名目GDP比2.8%程度)。 ファイナンス 2022 Feb.27令和4年度予算特集:1令和4年度政府経済見通しについて 特 集

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