ファイナンス 2022年1月号 No.674
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周南市とする地域経済圏が確立・拡大していったことにより急速な進展を遂げ、現在に至っているものです。平成3年には徳山コンテナタ-ミナルの供用が開始され、これに伴い、定期コンテナ航路の開設が相次ぎ、現在では、東南アジア航路1路線で月間4便、韓国航路5路線で同28便、中国航路3路線で同12便の計9路線で同44便が就航しています。港湾整備状況では、徳山・新南陽港区において公共岸壁及びコンテナヤードの整備拡充が進められており、同12年には晴海埠頭に石炭等バラ積船用のマイナス14m岸壁(バルク公共埠頭としては中国地方随一の深さ)及び同20年には新南陽埠頭マイナス12mが完成し、供用が開始されました。なお、同20年8月には全国初の「臨海部産業エリア形成促進港」の指定を受けて、晴海埠頭-14m岸壁とその背後地を活用した石炭などのバルク貨物を蔵置するため、株式会社トクヤマを中心に周南バルクターミナル株式会社が設立され、同22年には一部が供用開始、同24年4月には全面供用開始となりました。また、同23年5月には、国が石炭、鉄鉱石、穀物を扱う国内の大型港湾の中から国際競争力のある港を集中整備する「国際バルク戦略港湾」として、宇部港と共に石炭取扱港に選ばれています。さらに、地元の自治体や企業から国際競争力強化や地域経済の発展を期待する声が上がっている中、同29年6月には、発電所や生産工場で発電燃料として消費される石炭の需要増加や企業間連携による大型石炭船を活用した共同輸送の進展に対応するため、「徳山下松港国際物流ターミナル整備事業」が着工され、現在も整備中です。【下松地区】下松港は、昭和23年に徳山港に編入され、徳山下松港として開港に指定されました。下松地区は、鉄鋼・機械の原材料搬入・製品搬出などが主ですが、新幹線をはじめとする鉄道車両も、ここから船積みされ各地に運ばれています。また、周辺の発電所向けの石炭を取り扱うパンタドーム型の巨大な石炭中継基地も作られているのが特徴です。【光地区】光港は、光海軍工廠の専用港として戦時中に建設され、昭和39年2月に港湾法に基づく港湾管理区域として徳山下松港に編入、その後、昭和41年4月に開港となりました。光地区は、鉄鋼メーカーによる原材料搬入・製品搬出が主となっています。3管内の名所・話題【鹿苑山 漢陽寺(ろくおんざん かんようじ)】漢陽寺は周防・長門などの守護大名だった大内盛見が1374年(応安7年)に創建した臨済宗の禅寺です。85 ファイナンス 2022 Jan.連載各地の話題

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