ファイナンス 2022年1月号 No.674
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○この観点から、MDBsに対し、以下を要請。(1)各途上国においてパリ協定に沿ったエネルギー計画等の策定を支援すること。その際、所得水順の高い国にはより高い目標の設定を求めるとともに、エネルギー計画等と整合的でない事業の実施を抑制するよう各国に求めること。(2)個別プロジェクトについては、当該国の実情を踏まえ、温室効果ガスの排出抑制に最も寄与する方策で、当該国のエネルギー計画等と整合的であるものを支援すること。※天然ガスであることを理由に支援を行わないことは、却って温室効果ガスの排出を増加させかねない。※新規の石炭火力プロジェクトを支援しないとのMDBsの判断を支持。デジタル開発については、新型コロナウイルスの影響によりデジタル開発の重要性が一層顕在化している中、サイバーセキュリティー・データプライバシーの確保の重要性を強調した。また、途上国の持続的な成長のためには、債務の透明性・持続可能性の確保が不可欠と指摘した上で、既に「共通枠組」を要請した3か国に債務措置を早急に実施するとともに、債務脆弱性を抱えた国への幅広い支援に「共通枠組」が有効に機能することへの期待を表明した。加えて、世界銀行・IMFによる債務透明性に係る分析や債務分野の技術支援の一層の強化を期待するとともに、世界銀行・IMFによる債務データ突合の進展を求めた。最後に、低所得国が一刻も早く危機から脱却し、環境に配慮した強靭で包摂的な復興を達成する上で、世界銀行グループによる継続的な支援が極めて重要となる中で、12月に日本が主催する国際開発協会(IDA)第20次増資の最終会合に向け、国際社会が連携して取り組むことの重要性を改めて強調した。 ファイナンス 2022 Jan.30IMF・世界銀行グループ年次総会およびG20財務大臣・中央銀行総裁会議等の概要SPOT

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