ファイナンス 2022年1月号 No.674
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糸魚川で会社は東京に置いている状態です。元々はマーケティング専門で、どうすれば地域の人たちがその土地を楽しむためのライフスタイルをつくれるかを考えていましたので、その視点で糸魚川にも関わらせていただいていますが、糸魚川はすごく変わっていて、すごくへんてこで、めちゃめちゃ面白い場所だと思っています。ユネスコ世界ジオパークで、日本で初めて認定されたユニークな土壌があります。豊かな漁場があって、農業もそれぞれの谷ごとに土壌が違うのでお米の味も違います。それを生かした酒蔵もあります。加えて新潟県の重要無形文化財の約半数近くが糸魚川に密集しています。そうしたことを集めていくと糸魚川は本当にライフスタイルが魅力的なので、これを生かしてツーリズムをつくっていきたいと考えて活動しています。また、私は東京や海外でさまざまな方とご縁ができましたので、そういう方たちとオンラインでつながりながら、地元の子供たちがこの豊かな自然とユニークな文化の中で最先端の学びができるようなプログラムを作っています。株式会社イールー 代表取締役伊藤 薫 さん小野総括審議官 ありがとうございました。お三方からまた違う視点でお話がありました。大臣の方からコメントをお願いします。鈴木大臣 それぞれのお話に「そうなんだな。」という思いを持ちながらうかがわせていただきました。黒石さんからお話のあった糸魚川市復興フォーラムは、財務局もお手伝いできたということで大変良かったと思っています。復興をどう進めていくか、国や県が決めるのではなく、住民の方々が自ら復興に取り組んで地域づくりをしていくことはとても大切なことだと思いました。また、貯蓄が急に増えてしまったと。コロナ禍が2年ほど続く中で人々のライフスタイルが変化して、消費に向かずに貯蓄に向かってしまっていると思います。日本の個人金融資産は現預金だけで1,000兆円あります。それを使ってもらわないと日本の経済は動きません。これは地域でも同じです。消費を増やすためにテイクアウトの推奨、あるいは食事のチケットの販売などをされているのは、まずできるところからやっていく意味で大変重要な点を担っていただいていると感じました。猪又さんのお話では、やはり時代が変わっていく中でDXなどの専門性を持った人材の不足が一つの課題だとのことでした。それを個々の企業で対応するのは大変ですので、共通した悩み、共通した課題に直面している方々がまとまって取り組んでいるとのことです。やはりこれも大切なことだと思いました。また、森林資源を使って川上から川下までのさまざまな企業が入って商品開発をするというのも今後に期待をさせていただきたいと思います。また、伊藤さんのお話を聞いて、糸魚川にも新潟県にもいいものがたくさんあるので、それを全国の方々のさまざまな嗜好などに合わせて、うまく売ることができれば素晴らしいことだと思いました。いまはコロナで観光業が大変傷んでいるわけですが、これからは、いい製品を作り、それをしっかり売り出し、PRすることで多くの人が糸魚川に関心を持っていただいて来ていただく。来ていただいたら新たな観光開発をするという、うまくつながっていくというご示唆をいただきました。小野総括審議官 ありがとうございました。一通りご意見をいただきましたが、追加でお話したい方がいらっしゃいましたらお願いします。黒石理事長 地域の発展といいますか、これからの成長を考えていくときには、どうしても東京圏の消費者にアピールしていかなければいけないと思います。先ほどもお話が出ましたが、やはりネックになるのは送料です。東京の人たちには、地域を応援したい気持ちがあると聞いていますので、そうした人たちに対して何かメリットが付くような政策があれば、地域にとっ ファイナンス 2022 Jan.10鈴木大臣が訪問車座対話in糸魚川を開催特集

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