ファイナンス 2022年1月号 No.674
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大火からの復興、 コロナ禍での取組について小野総括審議官 ただ今から車座対話を始めさせていただきます。最初に鈴木大臣からごあいさつをいただきたいと思います。鈴木大臣 本日はお集まりいただきありがとうございます。この車座対話は岸田内閣の取組の一つで、各閣僚が地域に出向きましてみなさんのご意見をうかがい、今後の政策展開に当たっての参考にさせていただく意味で開いています。今回は糸魚川での開催となりましたが、私は糸魚川と浅からぬご縁があります。大正11年から13年間、私の母方の祖父が新潟県立能生水産高等学校(現海洋高等学校)で教鞭を執っていました。今回は母親が育った地でもある糸魚川で開催できたことに、ご縁を感じています。その意味で私自身も糸魚川には、とても近しい思いを持っていますが、やはり平成28年には大火がありみなさま方は大変ご苦労されたと思います。実は私も岩手県三陸の山田町の出身で、東日本大震災で大きな被害を受けました。被災者のみなさんのお気持ち、また復興に向けた大変な努力、困難、それらを知る者として、糸魚川のみなさんが大火から頑張って復興してこられたことに強く感銘を受けています。また現在は新型コロナウイルス感染拡大で多くの事業者の方々、あるいは国民のみなさまは、大変大きな影響を受けておられると思います。今日はぜひみなさま方から忌憚のないお話を聞かせていただければと思います。小野総括審議官 ありがとうございました。早速意見交換を始めたいと思います。まずは松本様からよろしくお願いします。糸魚川の鮭から調味料を開発し 地元の水産業を盛り上げる松本代表取締役 株式会社能水商店の代表取締役をしております松本です。弊社は糸魚川に帰ってくる鮭を丸ごと発酵させて製造する魚ぎょ醬しょうという調味料、鮭の醤油を製造している企業です。私はこの仕事を始める前に16年間、海洋高校の教員を務めていました。そのときに川に上がってきた鮭をどう有効利用するかを生徒と考えている中で魚醬を開発しました。これを地域の特産品に育てようと考えたのですが、教員の立場では難しい面もあり、平成30年に退職して会社を創業しました。令和3年から、また海洋高校で文部科学省の指定研究事業のマイスター・ハイスクール事業に取り組んでいます。これまでも産学官連携で海洋高校の生徒が職業学習できる機会提供をしてきましたが、さらにその仕組みをアップデートしてICT活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)に対応できる人材育成の視点で学校の実習マネジメントに当たる使命をいただいています。財務省は11月27日(土)、新潟県糸魚川市において鈴木大臣出席のもと、「車座対話」を開催した。車座対話は、閣僚が、様々な方と対話を積み重ね、国民のニーズに合った行政を進めていくことを目的とする取組。糸魚川市は平成28年12月に大火が発生し、地元経済は大きな打撃を受けた。今回の車座対話では、糸魚川市役所にて地域経済を支える事業者と大火からの復興、コロナ禍での取組について対話を行った。株式会社能水商店 代表取締役松本 将史 さん ファイナンス 2022 Jan.6鈴木大臣が訪問車座対話in糸魚川を開催特集

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