ファイナンス 2021年12月号 No.673
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各地の話題ンド交通の導入計画を作成、3年間の無償及び有償による実証運行を経て、平成28年度から本格運行を開始。交通弱者をはじめとする多くの市民の生活の足、観光客の移動手段として機能しています。また、平成28年度に市役所新庁舎整備やその周辺(中核地)における新たなまちづくり、地域高規格道路「南部東道路」の供用などを見据え、新たな都市構造における人の流れに対応した公共交通体系の形成を図るため、「南城市地域公共交通網形成計画」を策定。令和元年度には、「公共交通網のハブ整備」、「定時・速達性の高い幹線バスの導入」、「ハブとまちの拠点等を結ぶ支線バスの導入」の3つの再編の考え方をもとに、「南城市地域公共交通再編実施計画」を策定。第1段階の再編として、市内の移動利便性を高めるため、市内線バス「Nバス」の運行を開始するとともに、既存路線バスを幹線バスと位置付けて見直し、分散していた市内の起終点を地理的中心地にある南城市役所に集結することで市内と市外の乗継利便性を高めました。令和3年度には本市の取り組みが評価され、県内で初めて地域公共交通優良団体国土交通大臣表彰の受賞が決定しました。南城市では当初、市内の移動利便性向上を図るため、ドアtoドアのデマンド交通を導入しましたが、飽和状態となりました。そこで、まちづくりと連動した再編を実施。デマンド交通はNバスを補完する役割へ変わりました。今後、那覇空港自動車道に接続する南部東道路の供用を見据え、中核地でのバスターミナル整備を予定しており、バスターミナルを拠点とした公共交通ネットワークの形成に向け、さらなる路線集約や那覇市・那覇空港に連絡する幹線バスの運行などの再編を段階的に進めていきます。ハブ機能の市役所バス停Nバスのシンプルモダンなデザイン4おわりに南城市には世界遺産「斎場御嶽」や「グスク」の数々、神の島久高島があり、自然、歴史、文化が豊かです。コロナが落ち着きましたら、ぜひ南城市へお越しいただき、Nバスに乗って旧庁舎巡りや市内観光をお楽しみください。心よりご来訪をお待ちしております!ハートフルなまちづくりに期待沖縄総合事務局財務部理財課上席調査官 比嘉 則之合併当初に約4万1千人だった同市の人口は、若者の定住促進等の取組で、令和3年3月には計画の1年前倒しで目標の4万5千人を達成しました。また、民間力の活用では、旧庁舎の活用などの他、民間事業者の提案事業を市庁舎で実施する機会を提供する、トライアル・サウンディングを行うなどの取組も進めています。世界遺産「斎場御嶽」(せーふぁうたき)は、パワースポットとしても、観光客に人気となっており、「ハート」のおひげがトレードマークのゆるキャラ「なんじぃ」も人気を博しています。今後の同市の取組が、なんじぃのおひげのようにハートフルなまちづくりに繋がることを期待します。【なんじぃと斎場御嶽】 ファイナンス 2021 Dec.79連載各地の話題

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