ファイナンス 2021年12月号 No.673
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各地の話題スクの増加への対応という課題に対し、職員を割ける状況にはないことから、民間事業者様と協力しながら大規模な介護予防事業を展開することで介護予防の取組を止めないこととしました。4プロジェクトのポイント高齢者の方に提供するプログラムについては、オンラインや三密回避によるオフライン事業の提供についてノウハウを有する民間サービス事業者の創意工夫を活用し、感染対策の徹底と継続的な社会参加を促進するサービスを提供していくこととしています。なお、本プロジェクトにおいては、従来の介護予防のイメージとして思い浮かぶ、運動といった分野だけでなく、趣味や就労、エンターテイメントなど、コミュニケーションを創出する多様な種類のプログラムを提供し、高齢者の継続的な社会参加を促してまいります。また、これにより、介護リスクの低減のみならず、高齢者の方に“生きがい”や“楽しみ”を獲得していただき、QOL(Quality of Life)の向上を図ってまいります。写真(3) 〈事業で提供されるプログラム〉5今後の展開本事業は、2021年7月から5年間の実施としており、長期間かつ事業費も億単位と大規模となっております。豊田市は、今回、事業財源として企業版ふるさと納税を活用することで長期かつ大規模な事業の実施を実現することができました。御寄附いただいた企業様の御期待にも応えるべく、引き続き、社会参加を促進するプログラムを提供していただける様々な民間サービス事業者と協力し、全国で展開できるようなモデル事例に成長させることで、社会的にインパクトのある取組にしていきたいと考えています。また、他の社会課題においてもSIBを適用できないか可能性を検討し、サステナブルな社会づくりを目指していきたいと考えています。写真(4) 〈プロジェクト体験会の様子〉SIB活用事業で元気をみんなに!地方創生コンシェルジュ東海財務局総務部総務課長 山口 恒サステナブルな社会の実現を目指し、SIB活用事業の可能性を模索する豊田市。「ずっと元気!プロジェクト」は、高齢者のみならず、事業者創出といった副次的効果で地域も元気に。目指す成果が実現すると市の財政が元気に、加えて国や県の負担減少にもつながり、全ての関係者が元気になります。豊田市の挑戦が、全国のモデル事例となり、多くの自治体の模範となることを期待しています。 ファイナンス 2021 Dec.75連載各地の話題

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