ファイナンス 2021年12月号 No.673
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せる社会を築く礎の一つになっているものと申せましょう」との労いのお言葉をいただいた。このことは、我々国立印刷局の事業に携わる者にとってこの上ない光栄であり、明日への活力の礎として役職員一人一人の胸に刻まれたところである。また、記念式典終了後、両殿下には、オンライン・ビジットの形式による東京工場の御視察をいただく光栄に浴した。新しい一万円券の最新の偽造防止技術やユニバーサルデザイン等を御覧いただくとともに、長年にわたり日本銀行券等の彫刻作業に携わり、類まれな技術を持つ工芸官の伝統的な職人技を御覧いただいた。さらには、新しい日本銀行券の製造実験の様子も御覧いただいた。両殿下にとってはじめての国立印刷局の御視察であったが、工芸官をはじめとした高い技術に御関心を示され、職員に直接お声掛けをされて熱心に質問を重ねられるなど、両殿下に国立印刷局の事業への御理解を深めていただく得難い機会となった。また、国立印刷局にとって、約20年振りの新しい日本銀行券の製造の達成に向けて、決意を新たにする機会を賜るとともに、長年技術・技能の向上に勤しんできた職員にとって、両殿下からお声掛けを賜ったことは、その職員のみならず同僚一同にとっても大きな誉であった。国立印刷局創立150年記念式典を挙行し、職員が秋篠宮皇嗣同妃両殿下から「おことば」やお声掛けを賜る栄誉をいただけたのは、関係官署の皆様はもとより、工場を受け入れていただいている東京、神奈川、*5) 独立行政法人造幣局、独立行政法人国立印刷局それぞれの150年のあゆみ等については、次のサイトでも紹介されているので参照いただきたい。 ・ 造幣局150周年特設サイト:https://www.mint.go.jp/150th/ ・ 国立印刷局創立150年記念サイト:https://www.npb.go.jp/ja/sesquicentennial/index.php静岡、滋賀、岡山の各都県の皆様をはじめ、多くの関係各位のこれまでの御支援の賜物である。本稿をお借りし、国立印刷局を代表して深く感謝申し上げる次第である。4おわりに造幣局、国立印刷局の150年記念式典において、秋篠宮皇嗣殿下から「おことば」を賜り、また、秋篠宮皇嗣同妃両殿下に御高覧いただきながら式典を挙行できたことにつき、両法人を所管する理財局国庫課としても大変栄誉なことであり、謹んでお礼申し上げるとともに、改めて両局職員の皆様にお祝い申し上げる。造幣局及び国立印刷局が150年の節目を迎えることができたのは、造幣局が純正画一な貨幣を、国立印刷局が高品質で均質な日本銀行券を、明治、大正、昭和、平成、令和と時代が移ろう中でも変わらずに製造し続けてきたことに他ならない。そして、それをなし得たのは、業務に携わる役職員の方々が強い使命感をもって職務を全うされてきたことによるものであり、心より敬意を表したい。また、両法人が与えられた使命を着実に果たし続けることができたのは、地元の方々を含めた関係各位の多大な御協力によるものであり、深く感謝申し上げたい。150年の歴史の中で引き継がれてきた良き伝統を後世に伝えていくことで、造幣局、国立印刷局がこれからも通貨に対する信頼の維持に寄与し続けていくことを祈念し、本稿を結ぶこととしたい*5。(秋篠宮皇嗣殿下の「おことば」の模様)(オンライン・ビジットの撮影模様) ファイナンス 2021 Dec.13造幣局及び国立印刷局の150年記念式典について SPOT

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