ファイナンス 2021年10月号 No.671
89/94

各地の話題~沼津港大型展望水門「びゅうお」~静岡県が津波対策として建設した「びゅうお」は、駿河湾から沼津港内港に侵入する津波から陸側を守るために作られた水門です。津波をシャットアウトする扉体は、幅40m、高さ9m、重量406tと日本最大級です。また、この大きな扉体を活用して、展望施設が併設されており、富士山、駿河湾、千本松原を一望できます。~一富士二鷹三茄子(諸説あり)~初夢に見ると縁起が良いとすることわざに「一富士二鷹三茄子」があります。諸説様々ありますが、一説には、一は富士山、二は愛鷹山(あしたかやま)、三は江戸時代大変高価だった早採りの香貫茄子(現在の沼津市香貫地域で採れた茄子)だったという説があります。徳川家康が、自分が住んだ駿河国の高いものを順に挙げ、日本一の富士山は言うまでもなく、鷹は鳥ではなく富士山の南側にある愛鷹山のこと、茄子は初物(その年の最初の収穫品)の値段の高さを言ったと言われています。 管内名所~世界文化遺産「韮山反射炉」~伊豆半島北部の伊豆の国市(沼津市の南隣)に、平成27年に世界文化遺産に登録された韮山反射炉があります。韮山反射炉は、幕末期に軍事力強化を目的に鉄製大砲を鋳造するために建造され、実際に稼働した反射炉としては国内で唯一現存するものです。「反射炉」とは、銑鉄を溶かして優良な鉄を生産するための炉で、銑鉄を溶かすために炉内の天井部分が浅いドーム形となって、そこに炎や熱を反射させて銑鉄に集中させる構造からこの名で呼ばれました。韮山反射炉は、着工から3年半の歳月をかけて安政4(1857)年に完成し、幕府直営反射炉としての役割を終える1864年までの間、鉄製18ポンドカノン砲や青銅製野戦砲などの西洋式大砲が鋳造されました。 ファイナンス 2021 Oct.85連載各地の話題

元のページ  ../index.html#89

このブックを見る