ファイナンス 2021年10月号 No.671
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り真偽の判別が一段と容易になっている。(2)ユニバーサルデザイン新しい日本銀行券では、識別マークを券種毎に異なる位置に施していることが特徴である。また、識別マーク自体も手で触れて識別しやすい斜線の形態に変更している。このほか、アラビア数字の額面数字を大型化することで、視力の弱い方々や漢字を使わない外国人の方々にとっても券種を区別し易くするほか、ホログラムやすき入れ位置を券種毎に変更するなど、券種を区別し易くするための様々な工夫を施している。5今後のスケジュール等について今般製造が開始された新しい日本銀行券については、今後、市中の金銭機器(ATM等)の開発・改修等が円滑に行われるよう、民間の金銭機器メーカー等に対して、サンプル券として提示される予定である。また、2024年度上期目途の発行開始時に日本銀行が十分な保管高(備蓄)を確保できるよう、来年夏頃から国立印刷局において本格的な製造が始まる予定である。財務省としては、今後とも引き続き国立印刷局や日本銀行等と協力し、発行開始に向けた準備を着実に進めていく。一万円券五千円券千円券表渋沢栄一(1840~1931)津田梅子(1864~1929)北里柴三郎(1853~1931)裏東京駅(丸の内駅舎)フジ(藤)富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」改刷・改鋳については、本稿のほかファイナンス(令和元年六月号、通巻六四三号)の特集「新しい紙幣・硬貨発行の意義と最新技術」を参照いただきたい。(今回の改刷スケジュールのイメージ)約5年製造準備(約2年半)市中対応(約2年半)改刷実施を公表(2019年4月9日)新紙幣発行開始(2024年度上期目途)印刷開始式(2021年9月1日)サンプル券提示12 ファイナンス 2021 Oct.SPOT

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