ファイナンス 2021年9月号 No.670
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各地の話題1大崎町の概要大崎町は、鹿児島県の東南部、大隅半島の東側に位置する人口約1万3千人の町で、農業を基幹産業とし、黒牛やブロイラー、だいこんやごぼう、さらにマンゴーなどの熱帯果樹の生産が盛んで、養殖うなぎも全国有数の生産量を誇ります。また、近年は陸上競技トレーニング施設「ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅」を活用したスポーツ合宿誘致施策に取り組み、国内外の多くのアスリートが町を訪れています。さらにごみの埋立処分場延命を目的に住民、企業、行政が一体となって進めてきた徹底したごみ分別の結果、12年連続で資源ごみリサイクル率日本一を達成し、環境に優しいまちとしても国内外から多くの視察が訪れる町となっています。このように産業、観光、そしてリサイクルの面で飛躍する一方で、人口減少、少子高齢化が進み、持続可能な自治体の実現に向けたさらなる飛躍が求められている状況にあります。高いリサイクル率を支えるごみ分別活動の様子2持続可能な大崎町実現に向けた指針の策定大崎町は平成27年度に第1期総合戦略を策定し、雇用創出、定住人口・交流人口増加、出生数増加に向けた取り組みを進めてきました。第1期の成果として一部のKPI(重要業績評価指標)は達成されたものの、人口ビジョンに掲げた2040年人口1万人の達成は厳しい状況にあり、第2期計画においては、新たな視点を加えた戦略を策定する必要に迫られていました。そのような中、20年以上にわたって取り組んできたリサイクルがSDGsという視点で地域外の方々から高く評価され、政策づくりに関しても提言や支援を頂くようになり、さらに平成30年にジャパンSDGsアワード内閣官房長官賞を受賞し、翌年のSDGs未来都市にも選定されたことから、町としてSDGsの視点から明確な「目指す将来像」を描いた第2期総合戦略や第3次総合計画をSDGs版として策定し、実現に向けた取り組みを進めようとしています。2018年ジャパンSDGsアワード内閣官房長官賞受賞リサイクルの町から世界の未来をつくる町へ~鹿児島県大崎町の挑戦~大崎町 企画調整課 課長補佐中村 健児大崎町 ファイナンス 2021 Sep.89連載各地の話題

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