ファイナンス 2021年9月号 No.670
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風などの自然災害の被害を受けた場合でも、税関業務への影響を最小限にとどめるため、他の官署で輸出入手続を代行できる体制を整えている。また、災害等の情報を収集するAIサービスを利用して効率よく情報収集し、迅速な対応ができないか検討を進めている。一方で税関職員のテレワークの推進にも取り組んでいる。これまで税関の職員は、税関官署の中で輸入申告の審査などを実施していた。これらの業務の中で一部業務を職員が自宅でもできるような環境の整備を進めている。また、税関では海岸線等の監視・取締りも実施しているが、ドローンなどの先端技術が活用できないかを検討している。税関のビックデータを活用した AI解析の効果の可能性を検証4つ目はTechnology&Talent(高度化と人材育成)の分野。税関では過去の輸出入実績など膨大なデータを蓄積しているので、これをビッグデータとしてAIに解析させることで、税関業務の高度化・効率化ができないかを検討している。例えば税関は税務調査の一環として事業者への立ち入り調査を行っているが、どの事業者を調査対象にするのがいいかなどを判断する際にAIの解析結果を参考にしたり、輸出入申告の審査・検査にAIを活用して職員の判断の支援ができないかを検討している。RPA(Robotic Process Automation)の利用も推進している。RPAは職員が手作業していた定型業務を自動化するもので、すでに100以上の業務で実績がある。今後もRPA化を進めていく予定だ。また、税関職員の研修も進めている。最先端の技術を活用するために、例えばAIリテラシーを高めるための研修などを実施している。「スマート税関構想2020」は、公表から1年を経て、以上のような進捗が見られるが、その実現に向けて、今後も様々な取組を進めていく予定だ。EPAを解説したパンフレットYouTubeの税関チャンネルhttps://www.youtube.com/user/mof/videos税関申告アプリ(Eゲート用アプリ)https://www.customs.go.jp/kaigairyoko/e-gate_short.htm※Google PlayおよびGoogle Playロゴは、GoogleLLCの商標です。※Apple、Appleのロゴ、iPhone、iPadは、米国もしくはその他の国や地域におけるApple Incの商標です。App Storeは、Apple Inc.のサービスマークです。▼税関電子申告アプリのダウンロードはこちら「経済連携協定(EPA)とは何か?メリット・利用手順について知りたい方へ」(short ver) ファイナンス 2021 Sep.5公表から約1年が経過「スマート税関構想2020」進捗状況特集

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