ファイナンス 2021年9月号 No.670
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さて、話を本題に戻しましょう。シンガポール国内でのコロナ対策が具体的にどのように行われているのか、以下、簡単にご説明させていただきます。誰にもわかりやすい段階規制「フェーズ」を導入2020年6月2日以降、シンガポール政府は段階的に規制を軽減する指針、フェーズ1~3の導入を決定しました(詳細は参考1参照)。これは、フェーズは段階的に、「どのような状態になったら、行動規制が緩和されるか、またそのために国・国民として何をすべきか」の指針です。以後、コロナ禍の状況の変化に併せ、シンガポール政府から公式に、フェーズごとの細かな規制詳細が発表されています。(参考1) コロナ禍における、シンガポールの段階的行動規制フェーズ1:Safe Re-opening(安全な再開)2020年6月2日より、シンガポールは、感染リスクの高くない経済活動から順に再開。リスクの高い、社会、経済、娯楽活動は引き続き閉鎖。外出についても、引き続きエセンシャル(必要不可欠)な場合のみとし、マスク着用。高齢者は、自宅待機が推奨。❖Safe Workplaces(職場の安全):安全管理対策を取ったうえでビジネス再開職場に戻ることが許される国民が増え、感染のリスクをおさえた状態でビジネスの再開も許可。在宅勤務ができる者については、引き続き在宅勤務。自動車整備、エアコン整備、基本的なペット関連サービス、美容院・理容室のすべてのサービスなど、再開できるサービスが増加。多くのリテール店舗、飲食店での飲食、その他個人的なサービスは、この段階では再開は認められず。❖Safe Home and Community(自宅とコミュニティの安全):家庭を訪問できるのは1日1回最大2名各家庭は、同居していない両親または祖父母の訪問が可能。しかし、どの家庭も訪問は1日1回として、訪問者は、同じ世帯から2名まで。子どもの面倒を見てもらうために、両親または祖父母の家に子どもを預けることが可能。冠婚葬祭も再開、但し最大10名まで。礼拝所も再開可能だが、個人的な礼拝のみ。家庭外の人との接触を制限するために、エセンシャルでない活動および親交を深める目的での集まりなどは引き続き禁止。❖ Safe School(学校の安全):小学校・中学校の卒業学年は毎日登校小学校・中学校の卒業学年は、毎日登校となるが、それ以外の学年は、在宅学習と学校での授業を隔週で実施。学校内では、マスクまたはフェイスシールドの着用を要求。学童保育も再開、幼稚園は徐々に再開。課外活動、塾・習い事は、複数クラスや他校との交流を促すので再開せず。(出所)シンガポール保健省54 ファイナンス 2021 Sep.連載海外 ウォッチャー

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